ジェラルド・バトラー主演の実写版をDVDで観賞しました。
【映画の内容に触れますので、お読みになりたくない方はどうぞスキップなさって下さいね】
【ベオウルフ】
西暦500年、北欧の小国デネのヘオロット城では、夜な夜な巨人グレンデルが現れ、
多くの重臣たちが命を奪われていた。デネ国のスローガール王と縁戚関係にある
ベオウルフは戦士たちを従えて巨人退治に乗り出すが…。
2年前から公開を待ち望んでいた本作。
同名の映画が製作、公開されたこともあって、日本での公開は実現していませんが
DVDは発売、ジェラルド・バトラー氏のファンの方々の思いが通じたのでしょう。
北欧のパノラマを含めて、ぜひ劇場で拝見したいと思っておりましたので
DVDの発売後もなかなか心が向かなかったのですが、年が明けてようやく
観賞に踏み切ることができました。
「ベオウルフ」は思っていた通りの素晴らしい内容で、「オペラ座の怪人」以来の
バトラー氏のファンとしてこの作品を選んでくれたことを誇りに感じられるものでした。
彼は「アッティラ」や「300(スリーハンドレッド)」という作品で、
文明の衝突という非常に深いテーマに取り組んでいるのですが、今回の作品も
辺境の地にじわじわと進出しつつある巨大な宗教の影とともに訪れる神々の終焉、
見えないものを見る者たちが、畏敬から蔑みへと追いやられ
一介の人物が怪物と見なされてゆく哀しき過程が多方面から描かれていて、
上記2作品に通じる現世界へのアイロニーが巧みに表されているように思います。
2005年、ちょうど「オペラ座の怪人」でバトラー氏がブレイクした年に開催された
愛知万博でアイルランド館に入ったときに、文明と宗教の侵攻の以前には
まるで神話の世界に生きるような土地があったと知りました。
それが「ベオウルフ」にリンクし、さらに観賞への期待が高まったものです。
期待通り、雰囲気のある出演者と雄大な風景との相乗効果で、佳品だと感じました。
【毎回、全く違う顔を見せる変化(へんげ)の人
よろしかったら体験なさってみて下さい】
「オペラ座の怪人の日記」
「愛・地球博 アイルランド館」