賑やかな界隈へ向かう途中、お堀に囲まれた場所に出ました。
ここはかつての高山城の三の丸で、現在は飛騨護国神社に。
さきほどお散歩した東山寺町の寺社群の石垣は、旧高山城のものだそうで
このあたりから運ばれたのでしょう。
風情ある大水車。
こういったいにしえの風物があちこちで見られるのが高山を歩く愉しみのひとつで
通りそのものが本当にゆかしく保たれています。
実はこの通りを歩いている頃は、ちらちらと舞っていた春の雪が本降りに。
少し春ある陽を含む花のような雪は、だんだんとみぞれに変わり、
ライダージャケットでも空の寒さがしみるようになってきて。
夫とぱっと入ったのが、昨年も訪れた「咲くやこのはな」さん。
南国のような空気で、壁一面の色鮮やかな鳥や動物たちが迎えてくれます。
展示品が変わっているところもチェックしながら、奥の土蔵の辺りまで拝見。
カフェもあり、昨年と同じく座ろうかなと思ったのですが、
アイスクリームが中心なので、夫に違うところに行こうと促され
すぐお向かいに入りました。
お茶店という名前がぴったりの「茶屋三番町」さん。
入り口がとても小さいのは、小柄な江戸人サイズ、もしくは
室内の熱を上手くコントロールする智慧なのかもしれません。
囲炉裏もある温かな雰囲気の中、すこぶるミニマムな一畳の席に納まり、
夫は珈琲、妻はといえば、何故か抹茶アイスを注文。そえられているのは白玉。
お隣にいた地元の女性が帰り際に
「この寒いのに、まあ」とつぶやいてゆかれました☆
茶店でお抹茶なら、ふさわしい選択なのでしょうけれども
確かにその日は、冷菓を食べるにはやや不向き。
暖を求めて入ったにしては…と自分でも思いながら。
それでも、かっかと火が熾る絵の中にいるような場所では
冷たいお菓子も容易に溶けて、心あたためてくれました。
そろそろ宿に戻ることにしましょう。
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