銀閣寺から哲学の道へ。参道の喧騒には比べられませんけれども
有名な散策路は、やはり人の波が続いていました。
それでも水際の土手にある少し小高い路と、土手下の舗装された道と
疎水分流に沿ってふたつの通路があり、お好みの方を歩くことができます。
哲学の道は哲学者・西田幾太郎氏が思索しながら歩いたルートから名づけられたそう。
「カフェー小品集」という本の作品の一つに描かれた舞台でもあり、
読んだ時から歩いてみたかった桜並木の続く散策路。
水際の路は橋のあたりで途切れることと、午後に入って少し疲れてきたため
人空くなの舗装された方を進みます。小品集の
「眠りの国、青い屋根の人の家」に登場する教会のような造りの小さな家が
目に入ってこないかなと思っていると、途中から
茶色の制服の女の子の集団が先生と一緒にやってきました。
なかなかスルーできないままに後ろから見ていると、
手に手に火ばしを持って、道に落ちている塵芥を拾っている様子。
今日はご奉仕の日なのかなと思いつつ、背後にぶんぶん振り回される金属を避けて
ようやく集団を越えたところで、これも小説の中で言及されていた
女学院の生徒さんたちだったかなと気づきます。
本はその名の通り、都市にあるカフェーをモチーフにした小説集で
12のお店がそれぞれの作品になって収められています。
京都のカフェーの小説は4つ。
そのうち、どのお店に行こうか迷いながらガイドブックを探し
お店が載っているものを購入したり、作品に登場する場所を調べたりしているうちに
4つのカフェーのうち、すでに3つが閉店してしまっていることがわかりました。
「眠りの国、青い屋根の人の家」のモチーフになった「喫茶・若王子」もその一つ。
哲学の道沿いの終点、若王子神社の近くにあるお店は、やはり閉まっているようで
駅名風の看板が入り口のワゴンに残っています。
午前中に訪問した金戒光明寺のことを調べているとき、何故か
「新選組と幕末の京都」という本の地図にも載っていた「喫茶・若王子」。
不思議に思いつつ、さらに調べていると、ここが土方歳三役を何度か演じられた栗塚旭さん
(大河ドラマ「新選組!」では山本耕史さん演じる歳三のお兄様役をされていました)が
経営するお店だということがわかり、腑に落ちると同時に、
新選組と小説、二重の意味でのゆかりの場所にご縁があることに
感慨深さを覚えながらルートに入れたのでした。
若王子橋付近で、哲学の道は終点。
そのまま右手(西向き)に折れて歩くと、次は南禅寺に導かれてゆきます。
続きます。
「銀閣寺 公式HP」
「金戒光明寺 公式HP」
「平安神宮 公式HP」
「渉成園(しょうせいえん) 公式HP」
「秋の京都へ2008 源氏物語ゆかりの地めぐりの日記」
「秋の京都へ2007 新選組ゆかりの地めぐりの日記」
「秋の京都へ2006 京都御所&嵯峨野の日記」