大河ドラマもいよいよ佳境に、若いキャストの方々も、それぞれ味わいが出てきて、
趣深くみています。
松山さんの清盛は、はじめは王家&藤原氏の方々の濃い面々に圧されがちでしたけれど
福原に移られたあたりから物の怪度がアップして、迫力も出てこられたように。
平家物語の原文などに目を通して、気になっていた重盛、忠度、重衡にも
それぞれ印象的なシーンがあって。
「千載和歌集」に歌を残した忠度と藤原氏とのやりとりは
「咲くやこの花」を描かれた方ならでは。
重盛は、「平家物語」では道理の分かる練れた好人物として描かれているように思ったのですが
ドラマでは、父・清盛と後白河院に振り回され、苦悩に苦悩を重ねるさまが哀しく。
(一転、「大奥」で窪田さんが演じておられた役の重盛との余りのギャップに驚倒☆)
「あ、沖田さんがいる」と、平家一族のなかでお顔をみたときから注目していた辻本さん、
いったい誰を演じているのかと思っていましたら、後に怨嗟の的になる重衡で。
あくまで爽やかに京のまちと切り結んだ方を演じたのちに
あっけらかーんと南都を灰燼にする平家の五男坊、まさに配役の妙かと。
そして松田さんの後白河院。善も悪もまったく意に介さず、己の好むところのみひた走る、
物の怪度の高さでは、歴代の上皇たちに迫る勢いになってこられました。
数十年の時を物語る大河ドラマ、作品によっては、若い方が長期間同じ方を演じられると
相当な無理があると思われるときもあるのですけれど、今回は物の怪たちの戦いですので、
実年齢などすっとばしての作り込み、美しい方は美しいままに。ラストまで愉しみます。
遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそゆるがるれ
「NHK 平清盛HP」
「TV談議の日記」
「源氏物語の日記」
「山本耕史さんの舞台・ドラマ鑑賞の日記」