ダンナさんと観た映画の予告で近隣の上映があると知り、足を運びました。
【作品の内容に触れますので、御覧になりたくない方は、どうぞスキップなさって下さいね】
カルテットの放映されていたのと同じ季節でもあったためか、失踪、詐称、入院と
たくさんの共通項があるようにも思いながら見入っていました。
作品は、長澤まさみさん演じる女性の起伏ある視点で進むのですけれど
終盤まで素性が明かされなかった高橋一生さんの静かなるストレンジャー視点をもって
物語を眺めてもみたいなと。
自身の得たものを愛する者たちのためにも維持し続けるという言い訳のもと、
その片羽根の示し続けていた言内外の意を汲めずにすべてを零れ落としたあと、
パートナーから発せられた言動を、自身がかつての相手に与えていたものと
同質のものであると自覚しつつ贖い、許し、受容してゆく。
ラストシーンは、ダイナミックに躍動していた女性と共に、彼は
かつての自分との邂逅の旅をしていたのだなと思えました。
「映画談議の日記」