大川橋蔵主演というので、時代劇かと思って見始めたら、平安もの。
登場人物の名前で、「ああ、これは信太狐の話か」とはわかるが、ひとひねりもふたひねりもしてある。
大川橋蔵は若く美しく、正気を失って生きている時の表情もいい。
幻想の世界で踊ったりもする。
瑳峨三智子は一人三役。
弓で責められ身もだえする場面や、傷をなめるときの表情など、驚くほどの妖艶さ。
最後には、口に筆をくわえて「恋しくば」までを実際に書いて見せた。
物語が幻想的であるばかりでなく、終盤は、完全に舞台劇になる。
登場人物が、舞台で演じるのだ。
狐の集団など、ところどころを投影動画が手伝っている。
それがまた夢幻の世界という雰囲気を出している。
筋立ての面では、天変地異で始まっていながら、それについては解決しないまま終わる。
観客が、安倍晴明の話を知っているということが前提になっているようだ。
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