「遺失仏」新所在地報告 見沼区蓮沼踏切北の庚申塔
昨年7月から始めた「遺失仏コーナー」ですが、8月の緑区中尾の庚申塔以来、新しい情報はありませんでした。今回あらたに見沼区蓮沼の庚申塔の移動先が判明しましたので報告します。(前記事はこちら)蓮沼小学校南西踏切近く 見沼区蓮沼752[地図]10年ほど前の取材時には、東武野田線七里駅の西、蓮沼小学校の南西の踏切のすぐ北、交差点の角の園芸店のビニールハウスの脇に小堂が立っていた。昨年、久しぶりに訪れて見ると周りには新築の住宅が並び、景色は一変していた。庚申塔の無事を祈りつつ家路についたのだが・・・・先日、さいたまの大日魔人さんから新しい情報をいただいた。旧所在地の奥の住宅の南西の角に、以前と同じ小堂が立っていた。小堂の中 庚申塔 天保5(1834)駒型の石塔の正面 日月雲 青面金剛立像 剣・ショケラ持ち六臂。持物は矛・法輪・弓・矢。顔のあたりはやや風化が進んでいた。頭上の髪の間に見えるのは人面のようだが、もうひとつはっきりしない。それとも蛇の頭だろうか?髪の毛をつかまれて正面向きに合掌するショケラ。足元に二匹の邪鬼が頭を踏まれる。青面金剛の腰衣の紋様と二匹の邪鬼は、岩槻の田中武兵衛系統の石工の仕事を思わせる。三猿は見えないが、もしかしたら塔の下部に三猿が彫られた台があったのかもしれない。塔の右側面に蓮沼村。左側面は隙間が狭く写真は撮れなかったが、手前に造立年月日。その横に願主は個人名が刻まれていた。今回のように地元の方から情報をいただくのは本当にありがたいです。気にはなっていても、なにかのついででもなければ、1時間近くかけて再訪するのはなかなか大変です。「再訪見沼区の石仏」の時に探してみようと思っていたのですが、これから「中央区」「浦和区」「大宮区」「北区」「緑区」「見沼区」と進む予定ですので、こちらの庚申塔に再会できるのはたぶん2年くらい後になるところでした。貴重な情報、本当にありがとうございました。「追加報告」です。昨年の7月にとりあげた「中央区八王子の庚申堂」、西区の石仏の取材の帰りなどに何回か寄ってみました。通りかかった人に聞いて見ても、その消息は分かりませんでした。先日、思い切ってお堂のあったと思われるお宅を訪ねて事情を話しうかがってみたところ、引っ越してきたときは何もなかったとのこと、仕方なく近くの商店を訪ねて聞いてみましたが「新しく家を建てる時に不動産屋さんがお堂を処分した。」残念ながらあの元禄10年造立の貴重な庚申塔に再会するには難しいようです。