70代女性、左下6、近心根破折、GA、フィステル有り、自発痛ー
2年程から破折の可能性はありということでレントゲンでのモニターはしていたが、痛みはないが、腫れているのが気持ち悪いとおっしゃるので、近心根のみの抜歯をお勧めしたのだが、残せるものなら再植したいと希望されたのでやってみることにした。
破折線が見える
遠心根は今回抜かないつもりなのでCRでカバーした
歯根分離して
抜いてみたら頬側の歯槽骨はなかった。ちょっと手遅れ気味か。
黒い部分は硫化鉄で根管内に硫酸塩還元細菌が生息していたことを示している。
合わせてみた
根尖口を確認してみた。近心根は1本だけだが根管は2つある。いずれも根尖は確保されていない。
これは先ほどの硫酸塩還元細菌の代謝産物の硫化鉄の存在と合わせて、緊密な根管充填はできていないことが分かる。
現在の根管治療など上手くいっていることは少ない。最初からしないことが最も良いということだ。
つづく