70代女性、左下45、咬合性外傷、高齢化現象
歯は経年劣化する。元に戻ることはない。少しづつ、小さなヒビが入って、いつかは破折したり、虫歯になったりする。
冠を被せれば良いと歯医者も
無理矢理思っているかもしれないが、現実は厳しい。やはり割れる。
誰でも、何歳になっても気分だけは若い、父も93歳になったが気分は18歳と言い切っていた。
それが突然、若い頃と同じ歯応えのある食べ物が食べられなくなったことに気が付く、歯が欠けた、噛むと痛いというのが多い。
前者は経年劣化による
応力腐食割れという機械部品には良くある現象だ。
後者は
歯根膜炎。歯根と歯槽骨の間にあるクッションの損傷による痛みだ。
後者は歯応えのある食べ物は避けて、歯根膜を安静にしておくしかない。前者とて同じことだ。
例えばこんな食品はダメだ。フランスパン、ベーグル、パンの耳、アーモンド、ピーナッツ、ピスタチオ、ジャイアントコーン、ナッツ類全般、せんべい、かりんとう、よりより、硬い菓子全般、硬い肉、ホルモン、ジャーキー、するめなど乾き物、軟骨、あわび、サザエなど貝類一般、氷、飴玉を噛み割る、ガムを長時間噛み続ける、などなど。。
え〜っ、、と思われるかもしれないが、これが現実だ。概ね60歳以降は、まずいまずい老人食しか食べられなくなってしまう。咬合性外傷のある方で、すでに歯にダメージを受けている、歯科治療を受けている方はもっと若くてもダメだ。
うちはこんな症例の対応に追われている。若い頃のような欠損があれば、インレーにする、神経を取って冠にするなんていうことはできない。高齢になると歯が脆くなっているので、そのような治療には耐えられないのだ。割れてしまうだけだ。
その場で CR修復で終わるしかない