80代女性、右上4、Per+GA、自発痛++
施設に入所していて、痛くなってかかりつけの歯科医院に連れて来られた方なのだが、一体どうすれば良いのか?
連れてこられた歯科医師はとても困ってしまうと思う。
抗生物質を出して一時凌ぎをするか、冠やコアを除去して抜歯前提の消炎処置をするか、
抜けば収まるだろうが、高齢になると抜くということにも全身的なリスクは伴う。
とても一回で治るとは思えない。
抜いた後どうするか?という問題もある。急速に咬合崩壊することが見えてしまう。
ところが、3MIX+α-TCPを歯根内部に入れることができれば、一回で治る可能性がある、と言うかかなりの高確率で治る。
3MIX+α-TCPは歯医者の夢の薬剤だ。
・・腫れて痛くて食事もままならないということだった。
腫れているのがわかると思う。
ポストや根管充填材にバーが届けば良い。
3MIX+α-TCP(50%クエン酸水練り)充填
CRでカバーする。これだけで良い。漏洩は少ない方が良いがあってもしばらくは持ち堪える。
なぜこれだけで良いのか?
実は薬剤の浸透は象牙細管を通してだけではない。
根管充填材やポストと歯質の間には隙間が必ずと言って良いほどある。
それらを通して薬剤が病巣に浸透する。