カテゴリ:虫歯の電気化学説
50代女性、左下6、インレーダツリ
今日はごく普通のCR充填の症例。スーパーテクニックとかではなく、一般的な症例もたまには良いだろう。 というか初めてのアップかもしれない。 インレーが外れるかなり以前からセメントは崩壊していて、内部には硫酸塩還元細菌の代謝産物の黒色物質、硫化鉄FeSが付着している。FeSで覆われている歯は虫歯になり難い。 と言うか、ほとんどのセメント合着系の修復物は早期に脱離、もしくは脱離しかかっているのだが、FeSによって守られていると言っても良い。 その理由はFeSは電気的絶縁物質だからだが、多くの歯科医師はこの事実に気がついていない。 もう1つ、歯科医師は経験的には知っているのだが、セメントが崩壊しても最初から接着していなくても虫歯になり難いセメントがある。しかしその理由は知られていない。 それは亜鉛が含まれているセメントでカルボキシレートセメントとリン酸亜鉛セメントだ。亜鉛は歯質よりイオン化傾向が大きいので歯質より先に溶けて歯質を守る。 これをカソード防食という。 これらは金属の防食技術のイロハだが、歯も金属と同様に扱える。歯の荷電粒子は電子ではなく水素イオンだが。 虫歯の電気化学説を理解すれば全て説明可能だ。 では時系列でどうぞ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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此方に初めて書き込みます、コメント失礼します。
虫歯の電気化学的な作用をより深めた先生の考え方には 以前よりblogを立ち読んで腑に落ちとても賛同しております。 お金があれば研究資金を出し協力し、現状を変えなければならないと思うような内容です。 そして現在、そのような考え方の歯科医を近所で見つけられず苦労しております。 私も多くの方と同じように、虫歯にならないように衛生士さんに診てもらい、密着性の高い金歯やセラミックなどを入れ、歯をよく磨き、フッ素でコーティングしていても虫歯になりました。 このblogでも取り上げてますように、 電気的作用順序からしまして、その治療として詰めものに象牙質より安定した自然電位の高い金や銀歯、セラミックなど入れるのは間違っていると思われます。 象牙質を守るのであれば、流電陽極方式のように 象牙質に似た腐食速度の自然電位をもつ素材が望ましいと思います。 例えば、関節などの治療で体内で使用実績のあるマグネシウムと水酸アパタイトなどで出来た合金などを象牙質よりもやや自然電位を低く配合し腐食時に選択的に電子を供給出来るものを詰めると同時にその下はコーティングでガードし定期的に交換などによる電子補充が適切ではないでしょうか? さらに欲張るのであれば、また骨や象牙質のコラーゲン圧電効果とそのミネラルの蓄電作用も硬い物を食べたときに発生する電気的力学作用が歯の強化還元や防蝕の均衡に関わっていると思いますので、歯とおなじような圧電作用を持つ素材が望ましいと思います。 歩行などの骨に刺激のない競輪選手や長距離自転車の選手は圧電効果がなく骨粗鬆症になりやすいことは統計などでも知られているところです。 ですので、先生の考え方に似た治療医、適切な詰め物を詰めた治療、を受けたいと思いました。 私の歯は、金歯とセラミックを入れた部分が7年経ち下から毎回詰め物の下が電子が奪われ大きく腐食しております。 菌が隙間に入ったのでと言われ 削ってっまた密着性の高い金歯などに詰め替えたほうが良いと現在の担当歯科医に言われ保留しております。どんどん深くなりあと一回か今回の治療で奥歯はなくなるかもしれないそうです。 現在の担当医にこの電気化学的な作用を言ったところ全否定され主流ではないといわれこのblogにある論文等もおすすめしましたが見向きもせず話がかみ合いませんし、担当医の勧める治療をしても同じ歯で7年ぐらいの間隔で腐食し治療を繰り返しており、また同じ事になる予感しかしません。 このような場合、東京ではどこに相談し、どこで治療を受けるのがよいでしょうか? アドバイス等もしありましたら、ぜひよろしくお願い致します。 (2024/08/10 08:45:40 PM)
先ほどはすいません、
先生のおっしゃるα-TCPを使ってCR充填が今のところ最適解なようです。 手法については素人ですので詳しくないのでblog時系列を遡りCR充填 の外してはいけない部分を理解してから東京で探してみます。 (2024/08/11 01:35:20 AM)
プロトンさんへ
α-TCPセメントは廃番になっているので自作が必要です。 東京なら自費のCRをやっているところはあると思います。具体的には知りませんが。 虫歯の電気化学説は歯科業界では認められていませんが、業界誌のアポロニア21の9月号に山口大の藤森先生のその記事が出ますので、他業種から少しづつ浸透していくと期待しています。 (2024/08/11 09:27:03 PM)
mabo400さんへ
お返事頂き、また情報のご提供ありがとうございます。 発売後にはコピーを行きつけの歯科医院の衛生士さんや新しく担当医さんにお世話になる時に渡したいと思います。 私のお世話になっている衛生士さんは柔軟な方で電気化学的な内容については興味を持っているようで時々お話ししております。(フッ素は塗らなくても と何度言っても塗ってきますので本当にこの話題に興味あるか怪しいですが.....) 記事としてまとめて出ると言葉よりも理解が進みますし、断片細切れのそれぞれの情報よりも相手にも説得しやすいかと思います。 α-TCPセメントは、私も調べていたところなのですが廃盤なようですね、 MTAセメントなら何件かあるようです、それ以外の物もよく理解が追いついていないのが現状です。 セメントの殺菌法にも多少違いなどがあるようで、そのあたりも追いついておらず探すのに時間も必要になってくると思います。 また探したところでこちらのblogの内容に近い治療方針をやって頂けるか、 意見がかみあう部分が多いのかはまたハードルになるかと思います。 他、私の予防として、殺菌後の口腔内の菌組成を、虫歯にならない子供の持っていた菌などに入れ替える菌の入ったタブレットを噛むことや還元電位の高い温泉水(ph11)なども 珈琲や料理(鍋は還元作用ですぐピカピカに光りますが....)などで常用しましたが多少虫歯の進行を緩める事になるぐらいのようです。 虫歯を防ぐには至らなかったので、やはり、食事後の歯磨きと中和が大事ですが かといって三食ある食事後の歯磨きは、外食、疲労や忙しさ、人付き合いなどもありなかなか思い通り出来ないのが現状です。 多かれ少なかれ電気化学的な腐食による進行は起きてしまう前提として そのまま腐食作用が起きても大丈夫なように無意識に防蝕できるのか少し考えております。 (2024/08/11 10:53:04 PM)
訂正 常用で使っていました 水は ph11でなくph9.9
でした。 失礼しました。 (2024/08/11 11:11:20 PM)
mabo400さんへ
アドバイスありがとうございます。 除菌スプレーは常備しているのにそこまで考えていませんでした(^^; 重曹はシルバー磨きとして家にあるので早速重曹水を常備したいと思います。 重曹水は自己分解性もなくやっぱり良いようですね。 思いだしたことですが、温泉水などの火山地帯から湧き出た高アルカリ水は電気分解で出来たアルカリイオン水と性質が違い自然放置しても自己分解性で水素原子に戻りにくいようです。 これは電気分解とは違い本来は結びつかないミネラルと水素が地下マグマの超高温高圧の特殊環境下で活性水素(H-)となり、それをミネラルが取り込んでしてしまった(一夫多妻?のような)分子が何故か安定し水に溶けていることが原因(メキシコのトラコテや九州火山地帯のアルカリ水など)と考えられるようです。お金(H-)持ちなのに口の中でH+と消費(中和反応)しない電子を受け入れるか与えることのできる空スペースがない状態の可能性があり、予防に効かなかった原因であるかも知れません。 お風呂などの落ちないアルカリ質の汚れと同様の単純な酸とアルカリの中和反応というロジックでは反応しない部分のような気がします。 予防的には重曹水や すぐに使用するなら電気分解で出来た水の方が良いと思います。 自分の体内に取り込むには、温泉水の方が安定的で胃酸を通り細胞まで届き、機能回復作用もあるようですので良いと思います。 もう一つ今興味があることですが、無重力の環境下で宇宙飛行士の歯ももろくなってしまうようですが、どのような仕組みなのか気になるところです。 重力方向への分極による刺激が上手くいかないことにより細胞へ影響が出ている? その場合のミネラルが電荷を保持できる現象とどうも関係ある? か実際には私にはわかりません。 代謝影響が出ている差異部分がわかれば、歯の修復機構に電気化学的なアプローチなどで強化させる新しい予防になるような気がします。 金歯とセラミックをとって全て CR充填に置き換えるのが今から楽しみです。 友人にも勧めております。 (2024/08/12 11:38:36 AM)
mabo400さんへ
温泉水にはいっているアルカリ成分について ですがもう少し調べました。 ぴったりくる溶け込んでいるものがありました 多分、酸水素化物です H-を取り込んで酸素と反応せずに安定できる点 高超高圧で合成される点 還元電位が高い点 温度が上がるとH-を放出し還元性を示す点(料理等の経験からも) などなどです なので虫歯予防には多分あまり効果なさそうですね(^^; 酸水素化物:水素アニオンを取り込んだ新しいセラミックス https://solid-mater.com/entry/oh1 いろいろと材料に応用できそうな? たぶんご興味が出る内容かなとおもいました 書き込み失礼しました。 (2024/08/14 07:02:56 AM)
mabo400さんへ
お世話になります、いろいろと勉強中なのですが ニューアパタイトライナー2も廃盤で現在使われているところはないようです。 軟化象牙質等にカルシウムフォスフェイトセメントが使えるか興味があります。 硬化時間が短く同じ作用のようですが、 これについて、またその後継のNew-CPCについて 欠点や注意点などなにかご意見や情報など持っておりますか? PDF2 で使用されているので期待しております(^_^; 一般に治療に降りてきているのか あるのか不明です.... http://www.dr-sugawara.com/info/pdf/guidebook1.pdf http://www.dr-sugawara.com/info/pdf/guidebook2.pdf 掲載元にも後でご意見お聞きする予定です。 (2024/08/16 11:08:42 PM)
度々失礼します。
抗菌薬含有アパタイトセメント/α-リン酸三カルシウム硬化体の臨床応用に関する基礎的研究 広島大学 佐々木さんの こちら論文に硬化後のアパタイトから置き換えはα-TCP +抗菌剤 が優れているとありました。 丸々信じる 鵜呑み にはしませんが、こちらのblogの経験内容どおり、α-TCP をサンプルを取り寄せ? てやっていただけるところが良さそうです、やはり探してみます。 MTAセメント と銅イオンのセメント のところが多いのですが (イオン放出の経年劣化の情報がない点もあるので私は正直良くわからないです。) いろいろと質問しすぎて カウンセリング 代金かかりますね(^_^; ご迷惑ですのでしばらく控えますね。 (2024/08/17 06:24:03 PM)
あと 一言だけすいません
この α-TCP の複合体 このままCRの代わりに全部充填したら後で象牙質一体化されそうな気がしますが...... そうは簡単にはならないんでしょうね(^_^; (2024/08/17 08:19:58 PM) |
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