7歳女子、左上D、遠心カリエス
お母さんに手を握ってもらいながらの処置だった。
僕のやり方だと麻酔も必要ないし、痛くもないでしょ?痛くなったらそれ以上削らないのだから。
このシリーズもそうだが、ここの歯科関連の記事はこれから歯科業界に参戦する若い歯科医師のためのものだ。
これさえ憶えれば、
一生食っていけるテクニック満載だ。是非隅々までご覧になって自分のものにして欲しい。
例えばここで必要な設備器具は最小限だ。スーツケースに入るほどだ。ほとんどの場合レントゲンも必要ない。
タービン、3wayシリンジ、バキューム、CRセット、3MIX+α-TCP だけでOKだ。超音波スケーラー+エンドチップと電気メスもあると根管治療や残根を残すこともできる。
・・この子も咬合性外傷があり、Dの遠心辺縁隆線が強く当たる噛み合わせでもある。大人も子供も虫歯の最初のきっかけは歯ぎしり食いしばり硬いものが好きなどの咬合性外傷だ。これらがなければそう簡単に虫歯にはならない。
後は時系列でどうぞ
白いのは痛みが出ていたのでルミコンで仮封しておいた。痛みは水素イオン:プロトンの出入りによって起こるので、遮断すれば落ち着く。
虫歯をしつこく取る必要はない。1mm幅の健全歯質のフィニシングラインを確保することだけに集中する。
α-TCP+3MIX塗布。軟化象牙質を完全に覆う必要はない。近くにあるだけで再硬化する。むしろフィニシングライン上にハミ出ていないかどうかをよく確認する。
1次CR、フィニシングラインを過不足なくカバーする。漏洩があると失敗する。フィニシングラインから0.5mm程内側からフロアラブルレジンを押し出すようにフィニシングラインを覆う。シリンジの先端で伸ばし広げるのはなるべくしないようにする。
通常の術式で神経を取ってインレーやクラウンにすると言うのは漏洩があったときに(ほとんど全てだが)、痛くならないようにすると言うことなのだ。このことを知っている歯科医師はいない。歯学部では習わないからだ。
糸が通るようにする。大人しい子ならする。騒ぐ子はできないこともある。
処置方法はこちらを参照。
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