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2020.06.19
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カテゴリ:国際交流
こんにちはスマイルバイバイ
総合政策部政策局総合教育推進課です!

​​​​​​​若者の海外留学を官民挙げて支援する
​​​​​​​​​​​​​​​​「ほっかいどう未来チャレンジ基金」​​​​​​​​​​
​​​​​​​​​​​​​により​​北海道経済を支えるような新たなゲームコンテンツ産業を創出するため、フィンランドで先進的なゲーム制作を学んでいる学生留学コース有働篤人さんから5月の活動の様子が届きましたパソコンゲームきらきら

有働さんは、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、3月下旬に留学を一時中断して、日本に帰国し、5月末で留学を終了しました。​​

私の留学の月次報告書も最後となりました。新型コロナウイルスの影響でフィンランドでの活動はできなくなりましたが、日本から活動場所とオンラインで繋がることにより、今回の留学で行っていたことの完成を目指しました。

DEMOLAで行っていたスマートフォン向け学修支援アプリTUUDOの改良プロジェクトは5月も引き続きオンラインで行われました。
4月の活動報告書で、「成果物を公開したきりにせず、利用者がどのように成果物を利用しているかを調べるためのデータを収集するのが重要」という話をしました。これは、ゲーム開発においてもしばしば行われ、それを容易に行うツールも数多く提供されています。

しかし、このような手法には必ず「ユーザーのプライバシー」という問題が付きまといます。過去には、ソフトウェアが収集していた個人情報の漏洩や、自分がオンラインで起こした行動を、ユーザーの感知しないところで、思わぬ形で利用されるなどの問題が起こりました。そして2016年には、EU圏でGDPR(EU一般データ保護規則)が制定され、すでに存在していたプライバシー保護に関する規定を置き換える形で、これらの問題を反映したより詳細な規定が定められることになりました。

その流れの中で、特にスマートフォンの利用者は自分の行動が追跡されることに今まで以上に注意を払うようになりました。そして開発者側も「なぜそのデータを利用者から収集するのか、そのデータがどの程度利用者と結び付けられるのか」をより丁寧に説明することが要求されるようになりました。

この問題は今回のDEMOLAプロジェクトも例外ではなく、TUUDOの改良を行うにあたり手当たり次第にデータを集めていたのでは、漏洩などへの対策も大変になりますし、そんなソフトウェアを使うことに利用者も安心できないこととなります。そこで、プロジェクトメンバー全員で収集可能なデータの種類を精査し、TUUDOを改良するために本当に必要なものだけに絞り込んだ上でプロジェクトの提案に盛り込むよう留意しました。

Fingersoft社での活動で作っていたプロトタイプも形にすることができましたが、リモートでの活動であったことから、進行上の問題もありました。

特に問題となったのが時差です。フィンランドと日本の時差は7時間であり、こちらが何か作業をした後にそのフィードバックが返ってくるまでに相当の時間がかかります。そのため、例えば制作中のプログラムに不具合があった時に報告しても見落としが発生するなど、コミュニケーションをとるのに苦労しました。

幸い、近年「関係者に絶対に伝わって欲しいこと」をまとめるためのツールがインターネット上に存在しており、そのツールを利用することにより漏れを防ぐことはできます。

ただし、そのようなツールはプログラマにとっては比較的馴染み深いのですが、プログラマでない人の中にはツールにあまり慣れていない人もいました。現地で作業を行っている分には、多少古くから使われてきている手段であってもそれらを駆使して回避することはできるのですが、今回のような状況ではそうもいかないことが多々あります。

ツールを使い慣れていない人にツールの使い方を教えることも非常に重要です。ゲームはプログラマのみでできるわけではなく、全てのメンバーができるだけ開発しているゲームに関する多くの知見を共有しなければ、プロジェクトをうまく進めることはできません。

リモートワークでの活動となったことで起こった様々な問題を乗り越え完成したプロトタイプですが、プレーテスト用のコードの追加などの修正を経た後、βテストという「制作したいゲームの核心的な要素だけを含んだバージョンをプレーしてもらい、その要素が十分面白いものか」を確かめるフェーズへと移行します。どのような結果となるか、非常に楽しみです。

9月から始まったフィンランドへの留学は5月末で終了しました。この9ヶ月間、ゲームを産業として国レベルで推し進めているフィンランドと関わりを持ち、多くのことを学ぶことができました。それはソフトウェア開発だけではなく、その基礎となる技術や、新しい価値を生み出すような事業の作り方など、多岐に渡ります。

支援していただいている企業様や、現地でサポートしていただいたオウル大学のスタッフの皆様、DEMOLAプロジェクトで関わった現地企業のPSOASおよびTUUDOの方々、そしてFingersoftの社員の皆様には、9ヶ月間大変お世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。

しかし、私の活動はこれで終わりではありません。新型コロナウイルスの影響で多くの価値観が変わった今、クリエイターの活動がどのようなインパクトを与えるべきなのかなど、一クリエイターとして留学したからこそ考えなければならないことは多くあります。

フィンランドでの経験を生かし、クリエイターの側面から北海道に貢献していきたいと考えております。また、活動期間終了後に、私の経験を通して高校生や大学生の留学を推進するような活動も考えております。


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最終更新日  2020.06.19 17:02:29


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