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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2021.10.20
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カテゴリ:ユーラシアの歴史
香港の民主化制圧に続いて、台湾征服を諦めていない中国共産党に関する記事はこのところかなり多いです。それとともに、新疆ウイグルへの民族弾圧も日増しにひどくなっているようです。

少数民族への弾圧、漢化政策のそもそもの始まりは、漢人が数千年単位で恐れていた北の異民族、遊牧民族の現代の末裔であるモンゴル人弾圧でした。

辛亥革命で清朝が倒れた後は漢人同士の争いもあり、「モンゴルの独立」とか「完全自治を認める」など甘い話をしていた共産党は、国民党を追い出すや否や、内モンゴル人弾圧に力を入れました。

これに関しては、本ブログでも何度も触れています。1950年代から始まり、1960,70年代の文化大革命時代には特にやられました。「モンゴル人は殺しても罪には問われない」と言われたものです。

内モンゴル人を弾圧し、骨抜き化に成功した共産党は、その矛先をチベットに向け、さらに今はウイグル人を徹底的に弾圧しています。やることは半世紀前と同じで「ウイグル人は殺しても罪には問われない」となっているようです。世界各地からの人権批判が出ても、この国の幹部には何も届かないというところでしょう。

これらの漢人優位、中国周辺の領土は全部漢人のもの、という発想は、どこから来るのか?その原点ともいえる地図があります。

  • IMG_1914.jpg


これは国恥地図といって、「国の恥を描いた地図」という意味です。この地図は1933年の上海で発行された小学校用の地図の教科書に載っていたものです。これと実際の中国の地図とが比較されて載っていたそうです。その言わんとするところは何か?

要するに本来の中国領土というのは、この地図の赤線に囲まれた偉大で大きな国なのに、今はこんなに小さくなってしまったんだよ、いつかは取り返さなくてはいけないんだよ、と子供に教育をしていたのです。

これは国民党・中華民国時代に作られたものですが、中国共産党はその地図に関しては基本的な考え方を引き継いでいるのでしょう。つまりこれを実現することが習のいう「中華民族の復興」となるわけです。

この地図をよく見ると、単に台湾を侵略するだけでは済まない意図が明確に見えてきます。この地図を現代地図で表してみましょう。

  • IMG_1911.jpg


内モンゴルどころではなく、モンゴル国全土は当然中国のものとなっています。それどころか、その北のロシア領バイカル湖手前まで中国領土だと主張しています。北東はハバロフスクどころか、なんと樺太/サハリンまでも中国だというのです。

西の中央アジア諸国もほとんどが中国領であり、アフガニスタンも当然中国領という認識です。南はなんとインドシナ半島全域とボルネオ島北部までが中国領です。確かにこれを見ると、九段線(中国の赤い舌)全域が中国領と主張する根拠が見えてきます。東南アジア各国の独立は認めながらも、全然関係なさそうな南シナ海全域を自国領と主張するのは、この地図を信じているからなんでしょう。

だったら、ベトナムにもタイにもブルネイにも「そこは中国の領土だ!」と主張すればいいのに、なぜかそれはしませんね。そこまで馬鹿なことは言えないということなんでしょうか?であれば、九段線も十分ばかばかしい主張なんですけどね。

東を見れば、朝鮮半島は丸々中国領です。習がトランプに「韓国は元々中国だった」と「教えた」らしいですが、恐らくこのような地図をトランプに見せたんじゃないでしょうか?歴史を知らないトランプは、こうしたもっともらしい地図を見て「なるほど、確かに半島は中国領だな」と納得したのかもしれません。中国大好きの文大統領や中国の子分である金主席はこの地図を見て、何というのでしょうか?「宗主国様、よろしくね!」って言うんでしょうか?

日本も他人事ではありません。沖縄はもちろん、よく見ると奄美辺りまでも中国だとなっています。ひどいもんですが、これが中国の領土的拡張野心の原点と言えるのでしょう。ですが、この地図は現在は使われていません。発禁?らしいです。当然、さすがの中国も「本当はこうなんだぞ!」と現代社会では主張はできないのでしょう。が、私は微妙に言いたくない不都合な真実があるからだと思います。

この地図では、太線が旧時国界(昔の、本来の国境)で点線が現今国界(現在の国境)となっています。その現在の国境が問題なんだと思います。特に九段線が国境ではなく、南シナ海の領土が今の主張に比べ大幅に減少しています。しかもフィリピン付近は、本来の拡大国境すらありません。つまり、この頃には今の九段線が国境だという認識はなかったという証拠になります。

だとすると、今の中国がやっていることは「本来は中国領であるべき九段線の領土は、この時点では領土ではなかったので、現在の活動は領土を取り返すためにやっている」ということになります。

また、フィリピン近くの諸島は「そもそもどう拡大解釈しても中国の領土ではありませんよ」ということになります。これは現在の共産党の主張「九段線はずっと変わらず中国の領土であった。だから問題ない。」というのと矛盾します。

もし「元の領土を取り返す権利がある」というのであれば、プーチンに対してハバロフスクや樺太を返せ!と言ってもらいたいものです。アフガニスタンは大混乱しているのですから、中国が直接乗り出して、タリバンと戦って領土を奪えばいいのです。まさに都合のいいところだけを解釈して、主張している共産党の特徴が良く出ています。

モンゴルは、内モンゴルだけじゃなく、いつも狙われていることを良く肝に銘じてほしいですね。





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Last updated  2021.10.21 15:51:15
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