さて、定期的に報告しておりますJR南武線の酒場巡りですが、今回は宿河原駅にて下車しました。この駅を利用するのもこれが初めてで、やはり未踏の町を歩くのは心浮きだつものです。とは言ってもこの駅の界隈もさほど見どころがあるわけでなく、散策を楽しむ間もなく目指す酒場が見えてきました。
「飲み喰い処 さくら」は、こぢんまりした商店街の端っこにありました。見たところどうってことのない詰まらないお店で、電車を乗り継いでまで来るほどの店だったのかという邪念が芽生えるのを抑えるのに必死となります。店内に入るってもやはりどうということもないのです。さっと呑んですぐに引き上げようと、無礼なことを思っていると差し出されたのが立派なサンマなのです。どうやらこれがお通しのようです。こんな立派なお通し、そうはありません。他の客には別な品がお通しとなっていて、客の顔色を見て出すものを決めているようです。品書きも豊富で、目移りするほどですがそんなに沢山はいただけません。店に入った時には界隈に呑み屋が足りてないから混んでいるのだと感じたのですが、どうやら皆さんこちらの豊富な肴を楽しみに足繁く通われているようです。ここは独りではなく仲間同士で訪れて、がっちり呑み喰いするのが正解のようです。