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カテゴリ:神奈川県
さて、取り敢えずは今回で南武線沿線の酒場放浪記放映店巡りは小休止。今のところはっきりと場末っぽい印象のある南武線沿線には肩透かしを食らっているというのが正直な感想です。期待していたのはこれまでの2軒とは違って、もっといかにも入りにくくてやばい位の緊張感漂う酒場です。果たして久地駅ではそんな期待に答えてくれるような酒場に出会うことはできるのでしょうか。駅に降り立ち一望した眺めは実のところどこか似通っていた前の二駅よりはずっと好みでした。でも時間も時間なのでそうそう遊び回っている猶予はありません。それでも取り敢えずは目指すべき酒場とは反対側を歩いてみることにしました。歩いたというほどもなく大きな街道風の道路にぶつかります。その間にはちょっと悪くない店もありましたが、いつ閉まってしまうかもしれぬ目当ての店をなげうってしまうまでの酒場はありませんでした。駅まで取って返して、踏切を越えると呆気なく目当ての酒場がありました。駅前過ぎて場末感とは幾分程遠いようです。
「大衆酒場 美好」は、駅前のこの町では中心となる商店街の入口にあるようでーというのもほとんどがシャッターを閉めていて、わざわざ歩いてみようという気力が湧かなくなっていたのでしたー、まあその割には結構枯れていて、番組に出てなくても立ち寄るかもしれぬこの3回では知らなくとも立ち寄ったかもしれないという意味では最右翼の風情はありました。とは言え緊張をしてしまうということもなく、呆気なく暖簾を潜ってみたところでその印象はさほど変わりませんでした。でもまあなかなか良い雰囲気にうらびれていることは間違いなく、カウンターだけの客席に腰を下ろすのは、隠居老人ばかりとお見受けしました。彼らの呑みの時間帯は越えてしまったようで、ぼくが腰掛けるや一人また一人と席を立ちただ一人取り残される状況ばかりは場末酒場の期待を裏切りません。高齢ではあるもののまだまだ現役感を溢れさせる主人夫婦は、一見のぼくにもまるで躊躇する様子もなく、飄々とした応対をしてくれるのは嬉しいし、さすがに場数を踏んでいるという堂々たる様です。とは言え酒も肴も至って平凡で代わり映えせず、それはぼくにとって何ら瑕疵ではありませんが、果たして番組で紹介するような店かは疑問のあるところです。それならいっそ、グルメめいた目配せなど一切放棄して、場末酒場のみを経巡るような企画をやってもらいたいものだと心から願わずにおれないのでした。遠くもない将来、ぼくはそんな番組を眺めながら、孤独な食卓で独り呑むのかもと考えると可笑しくなると同時に溜まらなく孤独を感じるのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/09/17 09:06:29 AM
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