|
カテゴリ:神奈川県
東急東横線で横浜駅まであと一駅という立地にありながら、ちっとも大都会横浜を感じさせぬ、広い道路と単調な住宅街、わずかばかりの商店ばかりが目立つ反町には、数年前に一度、喫茶店巡りで訪れています。結局喫茶巡りは不調に終わりー事前に調べていた何軒かは店の痕跡すら見出だせず、「キャメル」とか言うちょっとだけ良い感じの店が残っていただけー、散歩するにもあまり愉快な町並みではないこともあり、それ以降は縁遠い町になってしまっていたのでした。でも全く収穫がなかったわけではなく、駅からすぐの片側アーケードの商店の並びがあってそれが東京では見覚えのないような佇まいであったことを唐突に思い出したのでした。横浜の外れの町にこうしたスタイルの商店街が多いようです。切り立った崖を背後に控えているのがこうした町並みを形成させているのでしょうか。そしてそこに酒場があり、それを目指すことにしたのです。
店名はすっかり失念していましたが「鳴門」だったようです。以前見た時と変わらぬ姿をとどめて営業していてくれました。以前は表を通り過ぎるばかりだったのですが、いかにも狭小なお店であることは見て取れたので混雑して入れぬのではないかという不安がありましたが、それも杞憂に過ぎなかったようです。口明け間際だったのかまだ他にお客もいません。もっとも10席に満たぬお店ですし、周辺にこれといった酒場もあまりないこともあって、すぐにほぼ全席が埋まってしまいました。それにしても溜まらなくよい雰囲気です。けして暗いムードなわけではないのですがー照明は薄暗いーガード下酒場の哀愁がここには残っています。都心の有楽町とかのガード下もけして嫌いというわけではないのですが、賑やか過ぎるのにどうしても打ち解けられない気分になるのです。店は人の良さそうなご主人がやっていて、狭い店のカウンターの内側の身動きすらままならぬという厨房でテキパキと仕事をしています。そんな狭い場所でありながらなんとも驚くべきことに幾多の中華料理が作り出されていき、それがかなり本格的なのでした。同好の集まり後の打ち上げをする常連たちの口からは、ここは材料さえあれば何でも作ってくれるんだよと我がことのように自慢するのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/09/29 08:25:51 AM
コメント(0) | コメントを書く
[神奈川県] カテゴリの最新記事
|