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カテゴリ:神奈川県
二子新地に初めて行ったのは二子玉川に用があったそのついでにこんな機会でもない限りは、そうそう訪れることもあるまいというまあ地元の方には申し訳ないけれど、至極もっともな理由があったからで、そうでもない限りやってくるほどの何かがあるわけではないはずです。その時はついでに橋を渡ってそう遠くない所にある居酒屋に立ち寄ってまあこんなものかとすぐさま引き上げることになりました。その後思いがけずすぐに再訪する機会を得たのは、この町を目的にしたのではなく、溝の口から二子玉川まで散歩したからに過ぎませんでした。ところがその日、たまらなく良さそうな酒場に出逢うとは思いも掛けませんでした。やってるんだかとっくに店を畳んでるんだか見分けも付かぬような古い木造のあばら家風の酒場を見かけた瞬間これは近々三度となる訪問をせねばなるまいなと思ったものです。そんなことを思いながら木造の建物を舐めるように見渡していると突然二階の窓が開き目と目があってしまったのです。こうなったら店の安否を確かめずにおかれません。どうやらまだ営業されているようです。
そんなことがあってから半年も経た頃にようやくの再々訪が叶いました。貧弱な商店街を歩きながら祈るようなー実際に祈っていたかもしれないー心持ちで店に向かうと、やっぱりという愚かな感想がこもった嘆息を漏らしてしまうのでした。空き地になったそこをしばし眺めつつ、前回通り過ぎた新店舗に今更立ち寄る理由はあるものかと思案しつつも貧乏根性が勝りやはり立ち寄ってしまうのでした。お客の入りは結構良くて、カウンターになんとか滑り込みます。その規約も程なくして引き上げてしまうのですが、かつての常連も未だ離れてはいないようです。カウンターにはかつての店舗の写真が飾られ無念さを掻き立てるばかりです。古い店で洗濯物を干していた方よりは若そうな方が女将さんのようですがどういう人物なのでしょうか。店の新旧がもたらした記憶の混乱によるものなのでしょうか。焼物は極めて標準的なもので特にうまいとかまずいとかもない。というよりは己の行動の遅さにまたしても後悔ばかりが胸をつくのでした。あっ、肝心な店の名は「やきとり 山吹」と言います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/10/12 09:30:42 AM
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