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カテゴリ:神奈川県
上大岡駅は、つい先だって行ったばかりですが、それまではほとんど知らなかった町です。京急の沿線ではかなり大きな町らしいのですが、確かに駅前には大きなビルがそびえ立っていはするものの、町並みはあまり楽しくない。なのにどうして再び訪れることになったのかというと前回諸般の事情から入りそびれてしまった上大岡のランドマークにお邪魔するためなのです。ちなみに自分で書いておいて何なのですが、このランドマークって言い方、なんだか軽薄な感じがすることもあって物事を正確に伝えられていなんじゃないかというもどかしさを感じます。いや、もどかしいというよりは大仰な表現で気恥ずかしいのかもしれません。が、辞書を引くのも面倒、というか手元にないので恥ずかしさより楽さを優先することにします。
その店とは「成田屋酒店」てす。上大岡駅前の一等地に異形かつ巨大なるオンボロ木造家屋があります。これが酒屋さんでかつ長いカウンターのある角打ちなのだからホラたまらない。前回入っていれば少なくとも気は済んでいたはずですが、ことはそううまくいかぬのです。それにしても驚くばかりに大きな木造建築で、それだけでも充分驚嘆に値するのですが、加えて開発の進む現代にあってそのままの威容を留めているのだから、これは今すぐ文化財として指定すべきではなかろうかと思わずにおれぬのです。さて、これだけの店を維持してこれただけあって客は多く、その多くがいい顔した諸先輩ということもあり、いくらかなり怯むことになるのです。角打ちとはいいながらこちらのお店は、店の片隅や隙間を縫って呑むタイプの残念なものではなく、酒も肴も注文していただくスタイルは神奈川県内に多くて、都内の味気ないそれと比較するとすぐにでも越したいと思わぬでもないのですが、それもままならぬのです。こうした店では、他の客との交流はあまり期待できません。仲間連れか孤独を愛する人ばかりの中では黙々と店の歴史を味わい尽くすのみで、充分です。 仮に人との交流を求めるのであれば「居酒屋 やき鳥 たぬき」が適しているかもしれません。こちらもかなりの年季を感じさせる古い店舗です。奥の深いカウンターのある立ち呑みの酒場で背広客が多いものの一見すると先の店より荒んだ印象を受けます。でもしばらく眺めるともなく眺めていると、常連たちの交流は活発で奥の方には顔見知り同士が盛んに語らい合うのが分かります。やさぐれた印象は眼光鋭いオヤジやオバサンのせいのようで、注文すら敷居が高いのです。それでもじんわり店の雰囲気に馴染んでくるとふてぶてしくなるもので、手の空いたオバサンと視線があったので話してみるとなかなか気さくな方で、入り口に鎮座されたたぬきの置物のこととかをお喋りしたはずですが今では記憶も遠く退きました。ところでこちらのお店、慣れるとなかなか良い感じですが、値段は一般の焼鳥屋並み、いやそれ以上なので一応お知らせしておきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/02/16 08:49:52 AM
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