|
カテゴリ:神奈川県
正月明けのとある夕暮れ時に昨年散々往復して辟易した東海道線のまたもや乗客として静岡方面から上っていたのです。例のごとく貪欲というよりは貧乏性を最大限に発揮して18きっぷを疾駆させての帰り道なのです。以前は乗りっぱなしでひたすら距離を稼ぐ余裕のない旅をしていましたがー本気で乗り潰しを悲願したこともあるー、今ではなるべく効率よくいろんな駅で途中下車して、散策するのが面白くなっています。何事かの目標を立てるのは己への励みにもなるし、叱咤することでその達成を加速させる事にも繋がりました。でもそんな達成感などという所詮は狭範な仲間内での優越感に過ぎぬことを知り、ついぞ興味をなくすのが大人になるということなのでしょうか。まあそれはともかくとして、ウンザリしたという東海道線沿線の各駅の事ですが、実のところまだまだ十分には歩けていません。大体、散々下車して歩いている小田原に名酒場があるというのだから、酒場好きとしてこれまで知らずにいた事を恥じ入るばかりであります。そもそも小田原のあと一軒の名酒場「大学酒蔵」すらつい先だって足を運んだばかりなので、この恥は今更のものでしかありません。
さてホッピービバレッジの先代社長が足繁く良い詰めたという「ホルモン焼 柳屋 本店」は、これまた駅から海岸沿いの国道1号線に向かってひたすら歩く事になります。正直ひたすら南下したのは良いけれどさっぱり道程が分からず途中スマホの地図に頼る始末です。正月が明けたばかりということもあるのか夜も更けた小田原の町には人気も少なく、暗くなりゆくばかりの道中は少なからずの不安を感じます。辿り着いてやってなかったらどうするという悪い考えが去来するのを封じ込めながらも、最悪の場合の避難場所として食堂に目をつけておくことは怠りません。安心して住宅街に足を踏み入れると間もなく酒場と瞬時に判別できる赤い灯が視界の隅に映り込みました。どうやら大丈夫らしいが、続いて満席なんじゃなかろうかと次なる不安に見舞われます。戸を開けると予想に反して広い店内です。カウンター席に川の字の長テーブル席、奥には小上がりがあり遠からず地元のアパレル業界かなんかの新年会が終宴となりそうです。カウンターの両脇もかなりご機嫌様になっています。先代社長に敬意を表して生ホッピーを頼みます。珍しく煮込みともつ焼を注文します。ここまで来たのだから胃が容量オーバーでもまあ仕方あるまい。やはり頼んで良かった。旨いなあ。これ以上余計な言葉は必要あるまいと、己の表現力の乏しさをしらばっくれてみる。これはわざわざ遠方から足を運ぶ価値があるってもんだ。社長さんの気持ちがわかります。まあ、財力のないぼくなんかと違ってタクシーで乗り付けたんでしょうけどね。支払いも領収書を切っていたりして。店のご夫婦のコンビっぷりも典型的でさもありなん。奥さんが如才なくお喋りなのに対して旦那は口数が少ないけれど優しそうで黙々と働くタイプとお見受けしました。かかあ天下の酒場は間違いがないなんて言い切ってみたりする。ところでさっきの新年会、実はまだ継続中なのです。泣いたり叫んだり、ぼくからすると人事異動なんてどうということもないけれど、地方の人には応えるのだろうか。まあ知らんけど、他にも客がいることをわきまえて欲しいもんだ。さて、そろそろ帰らねば、お勘定を済ますと、お年賀として大袋で韓国海苔をいただきました。 でもすんなりは帰らぬのです。先程見掛けた食堂に寄っておくことにします。「まるとし食堂」というらしいのですが、店内の品書はお好み焼が多い。どうも年末年始はメニューを少なめにしているらしい。休みなしのぶっ通し営業とはすごいなあ。箱根駅伝の常連のどこぞやの大学が毎年決まって予約するそうです。だから若い人が満足いき、食材の不足する正月でも大丈夫なようにお好み焼きをメインにしているのかな。特にどうってことのないお店のように思えましたが、それでも駅からも遠いこの立地にあっては重宝なのでしょうし、お店の方もフレンドリーなのは良かったなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/02/17 08:30:05 AM
コメント(0) | コメントを書く
[神奈川県] カテゴリの最新記事
|