|
カテゴリ:神奈川県
途中まだ数軒の喫茶店に立ち寄ったのですが、それは次週に送ることとして、京王線を調布駅にて相模原線に乗り換えました。前々から訪れたいと考えてていたお店があるのです。都内近郊の酒場巡りを本来の目的とするこのブログですが、都内といっても東側、それもその北部を中心とせざるを得ないのは単なるしがない勤め人でしかない一中年として、歯痒くはあるけれど致し方なしとの諦念と開き直りも持ち合わせています。そりゃ、金も時間もふんだんに持ち合わせているのであれば、仕事などさておいて好き勝手に行きたい所に行ってしまうのだろう。いや、はっきりと欲望の徒である私がもし仮に使い切れぬほどの財を成し、時間すら金で買えるようになるならば、今のように切なくなるほどに慎ましい日常に満足できるだろうか。果たしてこんな疲れる毎日を継続し続ける根気を保てるだろうか。いつかアフィリエイトとかいうのをこのブログにもベタベタと貼り付けて小銭稼ぎをしてやろうと目論みつつも怠惰なままに手を付けられずにいるような、ショボい夢と身の程を知らぬぐうたら者だからこそこんな日々を送っていられるのだと思うのです。と、昨夜酔った勢いで支離滅裂なことを書き散らしたようですが、ここに書かれたことはどうも胡散臭い。きっと宝くじを当ててもぼくは現在と同様に適当に仕事を続けながら、似たような日常を繰り返すのでしょう。18きっぷが新幹線に変わることはありそうだし、電車賃にもあまり頓着せぬようになるかもしれぬけれど、その程度の変化がもたらされるのみだと断言します。なぜならぼくは筋金入りの吝嗇者であるからです。元来金持ちという人種はケチなのであります。金を持っていて金払いもいい人は、成り上がり者に過ぎず性格の深層から金持ちには成り切れていないのであります。だからぼくには金持ちになる素質があるのです。
野球選手などというのは、日本における成り上がり者の代表格であると常々思っています。ガキの頃に周囲に流されるがままにもしくは親の見果てぬ夢の犠牲の故に始めた野球というローカルスポーツにたまたま才能の片鱗を見出したり、見出されたりしながら、学問とはとんと縁もなく、趣味にうつつを抜かすことも知らず、気付いてみると女と車、酒と賭け事、最近は新しいオプションも加わったようだが、とにかくそんな世間知らずのごく一部のみが成り上がり者としての地位を獲得し、多くのハイエナのような取り巻きにもてはやされるようになるのであります。特に読売とかいう、そのドンとかを思い浮かべるまでもなく、どう考えてもスポーティーさとは無縁のチームがあるらしいのだが、多摩川グラウンドでの練習の合間に立ち寄ったとどうとか。まあそんなことはどうでもよい。京王稲田堤駅から退屈な住宅街をとぼとぼ歩くこと10分程度、多摩川河川敷に「たぬきや 稲田堤」が見えてきます。河川敷の堤防を上がっていくと一挙に眺望が開かれ、景色に不感症気味のぼくでも思わずほうっと感嘆のため息を吐きたくもなるのです。時は夕刻、沈みゆく夕陽をバックに全面ガラス張りのバラック小屋でチューハイを呑む幸福たるやなかなかの風情です。ここはとにもかくにも風情を解するオヤジのための日常からの逃避場のようです。多摩川を渡る列車と調布空港に着陸しようとする(らしい)小型機をひとつ視界に収めた時にムラムラと撮影欲求が湧いてきましたが、なかなかタイミングが合わないなんて児戯めいたことを何度か繰り返すことにそれを写真に収めることなどどうでもいいことのように思えてくるのです。実際、やがて酒のせいにしては効き目が良すぎると思われる位に意識は霞んできて、こうして河原で独り酒を呑むことがなんだかとても不思議に思われるのでした。思念は珍しくも哲学的になり、立ち上がることすら億劫になってきます。しかしぼくの俗世への欲求は、人生の彼岸に身を置く開楽よりも勝ったようです。来た道を再び駅に向かって歩き出すのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/07/17 08:30:06 AM
コメント(0) | コメントを書く
[神奈川県] カテゴリの最新記事
|