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カテゴリ:神奈川県
さあ、ようやく京王相模原線終着駅である橋本駅に到着しました。JRの横浜線と相模線も乗り入れる乗換駅であるけれど、実は下車するのは初めてのこと。駅舎は複雑な構造かと思いきやごく平板な府中駅と似通った単純なフロアー式となっているようです。リニア中央新幹線の誘致に熱心らしく近代化と時代遅れが同居する町並みを想像していました。初めに北口からの眺めをちょいと様子見してみたのですが、どうも気乗りしないような光景が広がっている。おいしいものはとっておく方ですが、先に南口に行っておくことにします。これがもしかすると間違いだったかもしれない。先に退屈そうな北口に行っておくべきだったのだと思います。
ペデストリアンデッキが設けられた北口とは違って南口はまだしも枯れた町並みが感じられます。暗くなったのに人通りも多いのに安心します。道なりにしばらく進んでいくと「鳥元」というオレンジ色のテントが怪しく目立つ居酒屋があります。縄のれんに重ねるように紺地の暖簾も掛かっているのはどうしたこだわりなのだろう。すごいオヤジ色の強い酒場です。カウンター席にはまだ空きがありましたが、テーブル席はおっさんたちでほぼ埋まっています。恐らく2階にも座敷があるように思われます。カウンターの隅の席を確保し、ほっと一息。つまみのメニューがすごい充実しているなあ。目移りしてしまうほどです。値段はちょいと高めだなあと思うのですが、すぐにその理由が判明します。とにかく量も立派なので、一人だとあれこれと摘まめず残念なことになりそうです。ここは二人以上で来るのが楽しく利用するための重要なポイントとなりそうです。こういう端的によい酒場というのはひどい店のことを書くようには、書きたいことがあまりありません。隣の作業着姿の初老のオヤジ2人が揃って並んで座ったのはいいけれど、とにかく言葉を交わすこともなく、しかし躊躇なく肴を見繕っては注文する。当然目の前にはかなりの量の肴が並ぶことになるのだけれど、同様すら見せずに黙々と平らげていくのが見事である。早食い早呑みの模範となるべき姿を目の当たりにして、かっこいいなあと羨望の眼を向けたのでした。 北口には「翁屋」という見事な古い居酒屋があるとのことで、実は今回の旅の目玉と考えていたのであります。プッシュホンタイプの看板も素敵だなあ。さて、店内は大いに賑わっていて、ホントに辛うじて一席のみカウンターの窮屈な席のみ空いていました。ここは店先に瓶がずらりと並んでいましたが、日本酒をいっておくべきでしょう。若い店主は至って気さくに語り掛けてきて、あれやこれやとお勧めを語ってくれます。銘柄は失念しましたが、すごい辛口の酒は確かに辛口としか言いようがないものでした。アテにホタルイカなどどうですかと勧められるままに注文し、届いたらすぐに口に放り込んだのですが、なんとこれが恐ろしく生臭いではないか。うちの近所のスーパーもそれほどモノはよくないものを扱っていることが多いけれど、ここまでに臭いのは初めてであります。これは恐らくは前日の残りと思われる。その理由は周囲の会話などから嗅ぎ取った情報なのできっと間違いではない。厄介ばらいをしたとでも言うように、店主はそれっきり言葉を掛けてくることもなく、なんだかしてやられた感のみが残るのでありました。そして、その後はいやな気分のまま過ごす羽目になったのです。いやな気分になると背後のテーブル席の客たちのやり取りも途端に下ネタばかりの不愉快なものに感じられるし、建物はいいけれど椅子やらテーブルのオフィス用品みたいなのはどういうセンスなのだと悪い面ばかりが脳裏に浮上してくるのだ。こういう時はとっとと席を立つべきである。勘定を見てまたもや苛立ちが湧きあがるが、大人だからぐっと歯を食いしばり大人しく支払うのでありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/07/24 08:30:08 AM
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