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カテゴリ:神奈川県
箱根という日本を代表する温泉街というのに、前夜は呑み過ぎて風呂にも浸からすバタンキュー。目覚めてからも二日酔いで風呂に入る気迫が湧いてこず朝食まではグダグダと過ごしたのでありました。温泉宿の朝食って何でこんなに美味いのだろう。昨夜の宴会向けの夕餉はひたすに苦行のごとくに食べ進め、最後には値の張る食材のみ箸を付けるのがやっとでした。いやはや何とももったいないものだ。温泉の食事は豪勢である必要などないのであります。なんて食事などどうでもいいのだ。二日酔いだけれど無理などあるけれど立ち向かわぬ訳にはいかぬのだ。で、またインターバル、今晩は二日酔い必至のへらへろ状況なのだ。だからあえて正直コメントをするつもりだったのだけれど、実は案外嫌いじゃないのだから困ったものだ。
特に駅前の「純喫茶 BELL(ベル)」は、ぼくの好みのドンビシヤリなのです。格別に衒いの余地などのにもないのだけれど、それはともかくとしてぼくの本当に好きなのはこういどうでも良いごく普通な店なのかと思わぬでもないのです。近頃、飾り気のないなんでもないお店に対してとても寛容になった気がする。寛容というのは少なからず目線が高いかもしれません。そうじゃなく正直に言うととても好きになったのであります。ケパケパと煌びやかな喫茶店は今でも無論大好きだけれど、ああいうのはあくまでも怖いもの見たさとかいうのに近い観光的な存在であって、何の衒いもないここのようなお店こそが休憩所としての本来の喫茶の機能であると思うのであります。しばらくぶりに訪れると店の印象など脳裏から消え失せているなんてのは、飽きがこなくて結構な事じゃないか。これが年を取ったせいだとは思いたくないものであるが、それを否定しうる根拠などどこを探してもありはしないのです。壁のタイルや黄色いチェアはなかなか魅力的ではあるけれど、無礼を承知で述べるとするとこれらのセンスはあくまでも機能性を追求したに過ぎぬのではなかろうか。機能性の美(それは言い過ぎかもしれない)としてたまたま結実したのではないか。もしこの推測が当たっていたとしてもそれはそれで素敵なことではないかと思うのでした。 続いては、「智路留」にお邪魔しました。路地裏のうっかりすると見落としてしまいそうなこぢんまりとさり気ないお店です。店内も先の店とはテイストが異なってはいるけれど似たり寄ったりです。しかしそのテイストの違いこそにぼくの好みというか嗜好が反映しているようです。どうもファミリー的というか人と人の距離の近すぎるお店というのが不得手なようなのです。ぼくはどちらかというとお喋りな性癖の持ち主ではあるのですが、それがあからさまになるのは酒を呑み始めてからに限られているのであります。いやいや別に酔っ払って口が軽くなるとかではなくて、ホントはいつだって喋るのは好きだけれど、あれこれと考え事が多くて日中は喋っている暇がないのですね。幸いにも常連の方がお越しになってママさんとの一対一の緊張の張りつめた時間もなく思索活動に従事できました。食事メニューが豊富なので、日中は盛況になるんだろうなあ。 実は最も愉しみにしていたのが、ラーメン店「せんふく」なのであります。何故に楽しみにしたかは写真をご覧いただければ言わずもがな。夕方通り過ぎた時点では真っ暗で閉業したものと思ってしまったのは事実です。宴会も終わり自由の身となり出向いてみても遠目には夕暮れ時と同様にやってるのか不審に思うような状況でありました。しかし、ちゃんとやってるんですねえ。外観を裏切らぬ古めかしい飾り気のない店内に一目でノックアウトです。見惚れてしまったお陰で酒の写真すら撮り損ねるのは酔っ払っていたからというだけではないはずです。ラーメンもまた素っ気ないというか驚くほどに淡泊であったとかいう感想を述べるのは不人情かつ不粋なことであります。ここではきらびやかな箱根の町に取り残された町の残滓を堪能すれば大満足なのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/01/20 08:30:09 AM
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