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カテゴリ:東北地方
さて、翌日は喜多方へと移動しました。これまでに何度も喜多方には来ていますが、観光らしい観光はしていないし、そこら中にある蔵を眺めて適当な店で喜多方ラーメンを食べるだけでした。大体において蔵の町というのは、日本各地に点在しているけれど、単調過ぎて風景に変化が乏しくてぼくには余りその魅力が分かりません。さらにはラーメンの店にしたって有名店を調べたりせずに適当に目に付いた店に飛び込んだもので、つまりは喜多方は会津の旅の添え物扱いでしかなかったのです。しかし、今回、週末のみ運行される観光周遊バスを利用することで、一挙に喜多方という町に愛着を持つに至ったのでした。
しかし、不満も少なくありません。そのバスは喜多方の市街地の要所をぐるりと巡ってくれて大変重宝しましたが、観光パンフレットを見るとこの周遊ルートからかなり外れた辺りに国宝級の立派な仏像なりのある古刹があるようなのですが、歩くにはかなり厳しそうです。しかも拝観には予約が必要な施設が多いのも敷居を高くしています。見どころの中心は「旧甲斐家蔵住宅」がメインとなりそうです。でもここがこぢんまりして案外良いのです。贅を尽くすというには少し物足りないけれど、程よく立派でここに数日寝泊まりしてみたいと思いました。かつては喫茶室として開放されていた洋室、また喫茶室として利用すればいいのに。 でもこのバスが有難いのは,1日わずかに2便ですが,一番感銘を受けた「新宮熊野神社」の長床に連れて行ってくれることです。能舞台のような吹きっ晒しの施設でした。その成り立ちは各位お調べ頂く事として、喜多方の風土にしっくりと馴染みつつも緊張感を称えるのです。そのシンメトリーにきっちりと計算されつつ建設されながらも不可思議な位に自然と調和しており、修行とは無縁なぼくはここで酒でも酌み交わしたい気持ちがふつふつと湧いたのでした。 さて、またも観光ブログ化しつつあるので、そろそろ喫茶に話を移すことにします。前日の会津若松で蔵造の喫茶を訪れたことを書いたけれど、そこで従前抱いていた蔵造喫茶への偏見が一掃されたのであります。都内にも蔵造喫茶が散見されるけれど、それらとの決定的な差異は恐らくこうである。つまりは、同じリノベーションによる喫茶であっても喫茶化の処理が完了して以来、実際に使用しだしてからの積み上げてきた時間が全く違っているのだと思うのです。同じ蔵造喫茶ではあるけれど、「喫茶 くら」は前日訪れた会津若松のものとは全く印象が異なります。会津のがエキゾチックさを前面に押し出していたとすれば、喜多方は洗練と渋みがにじみ出るような内装となっています。どちらも魅力的でオリジナルなセンスが蔵という凡庸で退屈な空間を満たしていて、感動的なのでした。 「珈琲蔵 ぬりの里」も蔵の喫茶ではあるけれど、こちらはどちらかといえば標準的な蔵空間の利用の仕方といえると思います。特に目立った工夫はないけれど、安心して利用できます。 「珈琲専門店 煉瓦」は煉瓦造りの蔵を利用した喫茶で、それだけで他の漆喰壁の蔵とは異色でやはり抜群に洗練されています。駅前にあってくれてよかった。今後も喜多方を訪れるたびに立ち寄ることになりそうです。 おまけになりますが、「山口製菓本店」に立ち寄ってみました。日本一おいしいパン、日本一まずいバターパン、毒りんごサブレーなどなど奇抜なメニューで知られるお店ですが、お向かいの有名喜多方ラーメン店は行列ができていましたが、こちらにはお客さんの姿はありませんでした。 そうそう、会津若松の「ブラジル」、今回が初めてかと思っていたのですが、4年前に立ち寄っていたようです。初訪のつもりでしたが、お恥ずかしい。一応訂正しておきます。
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Last updated
2019/10/27 08:30:07 AM
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