|
カテゴリ:東北地方
小学校の頃から中学にかけて2年ちょっと仙台の住民だったことがあります。当時は仙台の駅裏(今ではその呼称は侮蔑的な意味合いからか用いられることがなく、単に東口と呼ばれるようになりましたが、ぼくも身の回りでは駅裏と自称することに抵抗を示すものはいなかったと記憶します)に住んでいて、駅までは自転車で5分も掛からなかったのですが、当時は駅裏と駅前との行き来が大変でした。2014年に撤去されたX橋と呼ばれる駅北側をびくびくしながら通り抜けるしかなかったのです(正確には南側からも通り抜けることはできました)。うろ覚えではありますが、バラック風の怪しげな店舗が立ち並んでいたはずで、その記憶をもう確かめられないのが残念です。
https://j-town.net/2014/07/11188203.html?p=all さて、X橋をはじめ子供の視線からはとてもいかがわし気に思えた多くの横丁やスポットが失われた仙台ですが、店子の世代交代はありつつも今もなおある程度のいかがわしさを留めるのが壱弐参横丁です。このそばには当時の仙台では大きな書店で会った金港堂書店や古書店があり、ちょくちょく覗きに行っていました。そしてその際には必ずこの横丁を散策して冒険心を満たしたものでした。というか未だにこの横丁というか巨大バラックを散策するのを楽しんでいるのだから、当時と精神年齢はさほど変わっていないということでしょうか。 ともあれ、かつての面影は失われたなどと語る人も少なくありませんが、ぼくには仙台にここが残っているのが何だかんだと有難いことに思えるのです。よくよく眺めると新しい店舗に混じっていかにも古ぼけた酒場が残っているのに気づきます。ちゃんと見ているつもりでも結構見逃しているもんなんですね。「居酒屋 チエ」も気付いてみたらこれまで認知できなかったのが不思議な位に自然に路地に溶け込んでいました。千円でドリンク1杯におつまみ5品というセットがあるらしい。案外お安くない店も混じっているからこれならまあお手頃と判断して良さそうです。奥の席でくつろいぐオヤジがいたけれどこれがオーナーだったようです。店は外国人女性がひとりで対応しているようです。カウンター10席程度のいかにもこの横丁に似つかわしい酒場に思えました。実際には同じ程度の広さのお店でも造りは店ごとに個性的なんですけどね。ハモニカ系の横丁酒場は似通っていて、店の差異を見分けがつけにくいってこともよくありますが、ここはその点、店ごとの特徴があるように思えます。確かにお通しは5品登場しました。どれも作り置きの簡単なものばかりで、でも白滝を軽く似ただけのものが意外や案外美味しかったりするのでした。そのうち恐らくは国分町辺りで勤めて言うと推測されるキレイどころが一人で入ってきました。あまり似てはいないかったのですが、もしかするとこの人も外国の人で店の女性と同じ国のご出身なんじゃないかと推測しました。とまあ、なんてことのないお店ではありますが、やはり古い店で呑むの方が新しい若い店主のやってるお店よりも濃密な時間を過ごせている気分には浸れるのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/09/27 08:30:07 AM
コメント(0) | コメントを書く
[東北地方] カテゴリの最新記事
|