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カテゴリ:葛飾区
選り好みさえしなければ亀有って、際限なく呑ませてくれる店があるんですね。ああ、たまたまこの文章を読み返すといくらでも酒を呑ませてくれる店があるとも読めますが、意図しているのは酒が呑める店が多いということを意味しているのです。それはともかくとして、前も書いたような気がしますがこの亀有は他の町とちょっと毛色の異なる特色があります。というのはこの町ではいかにも居酒屋らしい居酒屋というのは案外多くなくて、むしろ他の業態の飲食店がほとんど居酒屋化している場合が多いように思われるのです。特に中華料理店や大衆食堂なんかにその傾向が見られます。無論、他の町でも大概こうした店で呑むことは可能ですが、それでも食事だけというお客さんも少なくないのに比すると亀有の同様のお店では大部分の客が腰を据えて長々と呑んでいるという気がするのです。数多くのそうした現場に遭遇したからまず間違いないはずなのです。それはメニューに居酒屋的な肴が豊富に用意されていることからも伺い知れるわけです。
「ごはん処 港や」もそうした例に漏れぬ、ほとんどの客が酒を呑み、当然ながら酒の肴も充実したお店だったのでした。たまたま見掛けたから入ってしまったけれど、全く垢抜けぬ残念なファミレス風のお店であります。たまたまというよりは環七通りの反対側から見つけてわざわざ信号待ちして来たから引き返すのが面倒になったのであります。でもいざ店内に入ってみるとレストランチックなモダンさと奥の座敷のアンバランスなまんまの和洋折衷が、面白いと言えるほどではないけれど、ちょっと懐かしく感じられたのです。時代遅れの人やら物には得も言われぬおかしみと哀しさが伴っているものです。この夜はたまたまA氏が一緒だったから良かったけれど、これが一人だったとしたら、かなり物悲しかっただろうと思うのです。他のお客さんはこぞって独りであり、それを見るとやはり気分が沈みそうになるのです。でもまあ店のオバちゃんはちっともファミレスの店員ぽくなく、如何にもな町の食堂のオバちゃんであったから、やはり店の雰囲気の何割かは店の人次第ということもあるのでしょう。ポテマカ―想像通りのポテトサラダとマカロニサラダの両方盛りです―やら鶏の唐揚げなどなど、控え目な一人用の盛り付けになっているのも有り難い。この辺り居酒屋にも見習ってもらいたいものです。居酒屋の肴は一人前とは感じられぬのだ。サワーの値段も手頃だし、人と接するのが嫌な夜で無性に呑みたい夜は、こういう気張らない店が楽チンなんだろうなあ。近頃ちっとも行かなくなったけれど、見かけこそ明朗で賑やかしいけれど、それでもファミレスなんてのは、ファミリーのレストランとは名ばかりのどこまでいっても孤独な独身者の食事の場であるのでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/11/08 08:30:08 AM
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