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カテゴリ:荒川区
山手線に新駅が誕生すると世間では賛否の意見が飛び交っていますが、ぼくの知る限りにおいては不要論が大勢を占めており、両手を上げて喝采を表明するのは近隣マンションに住む知人くらいのものです。これだって実際に開業する事で、閑静な町の風情が損なわれたり、高層ピルが乱立して日照時間が激減したりと、とにかくメリットよりもデメリットが想起されるのでありますが、まあ先の事ばかり心配しても仕方ない。かつて西日暮里駅が開業した際にも山手線に新駅を設けることに反対する意見は少なくなかったのではなかろうかと思うのですが、これは地下鉄との接続などを思うと意外と歓迎されたのかもしれない。ぼくにとっては、西日暮里駅はもとからあった駅だからさほど気にはならないのです。でも開駅前の町並みはどんなだったのかそれには多少なりとも興味があります。
でも当時、「いざかや 漁火」のようなちょっとちゃんとした風な大人向けの呑み屋さんなどは存在しなかったのではないか。偏見に凝り固まった想像であることは分かっているけれど、恐らくそんな気がするのであります。しかし今の西日暮里駅界隈は、一見すると東京の中心とは思えぬような地方のしょぼくれた駅前風景と何ら変わらぬ様子ですが、ちょっと見上げてみると巨大な高層ビルや日暮里・舎人ライナーの空中を縫うように行き交うAGTという案内軌条式鉄道の織り成す立体的な町の構造が未来都市のように見えなくもないのです。でも見た目は未来を志向しようとも日本人というのは相変わらず魚介という原始的な食材を好む性分を捨て去れないようなのです。いやまあ、近大の最新の科学成果が活かされたようなハイテク魚介を知らず知らず口にしているのかもしれないけれど、調理されたそれは原始の頃とほとんど差異はないのであります。この居酒屋もなんてことのないちょっと気取った大人が週末をしっぽりと過ごす風なのでありますが、われわれはそんな気取りなどとは無縁に、通風をはじめとした諸々の身体的リスクなど知らぬふりでガツガツと魚を食らい、酒を嚥下するのみであります。値段の割にはちゃんとしているなあという感想が湧く程度で、それ以上語ることはないのですが、いつか魚介居酒屋はわれわれ庶民なんぞがめったに口にすることのできぬ高級品となることを見越すと、今のうちにできる限り堪能しておくのが正解なのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/01/04 08:30:09 AM
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