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カテゴリ:葛飾区
以前は、東京でも不便な場所に行けばぼくの気を引き付けてくれるような酒場と出会えるに違いないと思い込んでいて、せっせと通って歩き回ったものです。当時はさほど効率ということを考えず、しかも仕事とか私生活などは酒場巡りという趣味を妨げる障害でしかないなどと愚かにも考えていたから、実に自在に行動範囲を広げ、気ままに時間を費やしてきたのでした。平日にも関わらず列車を乗り継いでわざわざ自宅から遠ざかる土地にまで平気で出向いていたから今思えば随分と無理をしました。本来のぼくはぐうたら者であるから実にまめまめしく行動をしていたものだと今更ながらに感心しさえするのです。思えば当時は歩くことが楽しくて仕方がなかったのです。というのもその頃はまだまだ訪れていない町も多くて、初めての町を歩くのは初めての酒場に入るのと同じ位に興味深かったのです。というかもしかすると町歩きの楽しみの一つとして酒場に立ち寄るというイベントは含まれていたというのが適当かもしれません。だから都内の全ての駅前やその周辺を歩いたとまで豪語はしないけれど、少なくとも酒場がありそうな駅は大概降りているんじゃないかなあ。思い返してみるとかつて映画館をハシゴしたのも似たような気分に背を押されていたのかもしれません。といかにも乗り気にならぬ文書を書き出してしまったので、要領を得ないだけでなく退屈極まりない内容になったので早速ある夜訪れた酒場について書くことにします。
立石、お花茶屋など葛飾区に数店舗を構える焼鳥店の青砥のお店に伺いました。この3つの町にもかつては足繫く通ったものですが、気になる酒場があっても町そのものに食傷気味となってしまうとどうも縁遠くなってしまうという傾向がぼくにはあるようです。この日訪れた青砥は酒場巡りを始めてすぐの頃にちょくちょく訪れたもののその後はパッタリと足を剥けなくなったから、久々に行ったら何か以前は気付かなかった発見でもあるんじゃないかとちょっと楽しみにしていたのです。営業していた「鳥広 青戸店」に入ってみることにしました。まあ、ちょっと渋めだけどまあ普通の居酒屋だなあと感想ともいえぬようなつまらぬことを思ったのだけれど、何のこともない以前こちらにはお邪魔していたのですね。確かにまあ青砥って町は、思ったよりも目ぼしい酒場がないからそこそこ雰囲気のいいお店だったら入っちゃっても仕方ないだろうなあ。って、う~ん、悪くないんだけど、どうも気分が盛り上がらないなあ。馴染みの薄い町で吞む時は、そこがさほどではない酒場であっても異邦人の気分に浸ったりしてそれなりの感慨は生じたものだけれど、何か浮かれた気分になれなくなっているのを感じるのだ。ぼくなどは呑みに来てるからまだしも多少は浮かれ気味なんだろうけど、実際には客足が遠のいているのを実感してしまうのです。記憶にないから断言はできないけれど、このお店、以前はかなりの人気店だったように思うんだけどなあ。数店舗ある位だから。実際に久し振りに食べる焼き立ての焼鳥はやはり自宅で調理したのと別物であるし、他の品もどれも凝った料理というのではないけれどとても美味しいしね。この文章を書いているのは一都三県における飲食店の制限解除が発表された日なのですが、果たしてこの文章が表に出る頃、この酒場はかつての賑わいを取り戻しているのでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021/11/08 08:30:07 AM
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