以前は常磐線各駅停車の各駅にちょくちょく下車していました。この沿線は酒場好きにとっても優良地域でありまして、ひと頃は日を空けずに訪れたものですが、今ではちょっと飽きてしまって訪れる機会も随分減ってしまいました。多少なりとも新型コロナが影響していることもあるのだと思います。今でこそ通い慣れてさほど苦には感じなくなったけれど、若い頃、亀有にあった名画座に通うために週に一度は通っていたことがあります。都心から山手線、常磐線快速と乗り継いで向かうわけですが、亀有は常磐線各駅停車の駅なもんだからその度に北千住駅で乗り換えする必要があるのです。それは今もって状況が改善されることもなく、駅通路内の改札を素通りできるようになったのだけは改善点といえばそうなのでしょうが、実情はちっとも良くなっていないのです。金町、亀有、綾瀬の住民が例えば上野駅に向かう場合、常磐線各駅停車で西日暮里駅乗り換えをすると東京メトロの運賃とJRの運賃を両方支払う必要があるというややこしいことが生じるのです。ってややこしそうでいて慣れればどうということもなく覚えられはするけれど、ケチなぼくとしては当然北千住駅で乗り換えてJRの運賃だけで向かいたいわけです。これままあ面倒なもんだから嫌で嫌で仕方なかったのです。知り合いの都内を縦横に移動するバリバリの営業マンなど交通機関の乗り換えなどものともしないと思い込んでいたけれど、そんな彼も実のところ乗り換えが大嫌いだということが昨夜判明しましたから、みんな楽したい気持ちは変わらないようです。
さて、お邪魔したのは「串焼 さと村 金町店」です。こんなに開放的な構えの店などあったかなあ、金町らしくない気がするなあなどと若干の失礼なことを思いつつも店名がなんだか記憶に引っ掛かりがあるようなのです。それもそのはず、亀有に本店があってその系列店だったようです。亀有のお店の記憶は朧気にしかないけれど、こちらの方が今っぽい構えでちょいとスカしているのです。店内はカウンター席だけなのもなんだかねえ。お値段もけして高くはないけど金町価格ではないねえ。なんてことを思ってみたりもするのですが、もつ焼はちゃんと美味しいし、店の方たちも若い人が多いのにとても感じのいい応対をしてくれます。最近のもつ焼き屋の若い店主には時折オレオレ系の気合入り過ぎな人もいて非常にウザい訳ですが、こちらの方たちはそうした力みがなくてリラックスできます。そのせいもあってかお隣の熟年カップルは週の頭の月曜からこの金曜まで連チャンれでやって来ているようで、さすがにそこまで来ると極端すぎるなあなんて思うのです。おや、奥のやはり儒年の一人客がお勘定中ですね。で告げられた金額が1万円近いのです。ええっ、こじゃれてはいるけれど、もつ焼き店で1万円ってどういうことよとあれこれと計算してみましたが、各種取り揃えのある地酒をガンガンに呑まないとその値段には達し得ないのではなかろうか。と高齢者たちの恐るべき飲食欲と若年層の度肝を抜くと同時に苛立ちすら感じさせる浪費っぷりにとにもかくにも驚かされるのでありますが、それだけこの新しいお店はこの町に上手く溶け込んだということでしょうか。