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カテゴリ:葛飾区
このブログを始めた理由は諸々の理由があるけれど、酒場巡りの楽しさを分かち合って、わずかなりとも己の愛する酒場の延命に寄与したいということも理由の一端にありました。しかし、要因は様々に考えられるけれど、近頃は好きな酒場をレポートするというよりは、どうにも納得し難かった酒場のレポートをする機会が増えていて、どちらかといえば回避した方が身のため酒場を知らしめることを目的としつつあるようです。酒場の劣化や減少に連動してこのブログの内容も悪化傾向に傾きつつあるようです。だからといって未知の酒場を以前ほど探り当てることも容易ではなくなりつつあるし、今はまだまだ遠出したり仕事上がりに無理くり都合を付けて夜な夜な彷徨うのも褒められた行動とは思えない程度の弁えもある以上致し方ないことかもしれません。情報が過剰に流布される世の中にあっては、近頃酒場の魅力に開眼したばかりの多くの酒呑みの方たちというのはもしかすると外れを引きにくいという有意さもある一方で、いきなり当たりくじばかり引くことになるだろうから、その後の外れくじを引き続けるという反動には耐え難いのではなかろうか。始めよくても終わり悪しというパターンを踏まざるを得ないということであります。しかし、モノは考えようでひとしきり良さそうな酒場を巡ってしまった時点で、趣味としての酒場巡りからは潔く身を引くという戦略があり得るのかもしれません。ただしこれには途中、ガイドブックから浮気してふと目に留まった酒場に立ち寄ったりしてはならないというルールを厳守することです。パチンコや競馬などのビギナーズラックと同様の転落への道筋が開かれる危険性があるからです。って何を書いているのか。亀有のこの夜お邪魔したお店は、この酒場で道を踏み外すということはないけれど、亀有に遅延があって時折訪れるようであれば、またお邪魔したいと思いたくなるような両店だったのです。
亀有駅北口を背にして歩き出すとしばらくすると繁華街も途絶えて酒場も疎らになってくるのだけれど、この辺りまで来るとちょっとだけいい雰囲気の酒場が近接してあります。「小料理 はるちゃん」と 「のぶちゃん」の二軒ですが、まずは前者の暖簾をくぐりますが、店のママさんらしき方に品定めされた末にお断りされてしまいました。このところ何度もこうして全身を舐めるようにされた上で断られるという経験をしてきましたが、単に常連か否かを見定めるのであれば、顔を見れば一目瞭然となるはずなのにどうしたものか一定の間合いを置かれた上で回答があるというのはどうにも不快なものです。ぼくは店側には客を選ぶ権利があると店が主張することに必ずしも反対する立場ではないけれど、それならそれで「会員制」でもいいからうちは客を選ぶ店であるということを予め明示するのがマナーだと思っています。断られる客は当然不愉快だし、断る側もそれなりに心に負担を感じられているはずです。店によっては店独自の規則や流儀がある場合も同様で、どうしても規則や流儀を強いたいのであれば、入口でそれを明示すべきです。店に入ってからそれに従えというのは道理に合わない乱暴な要求に思えます。ともあれぼくは入店資格を認められなかったから次なる酒場でも気構えてしまうのです。しかしまあ、後者にはあっさりと入店を認めてもらえました。カウンター10席弱にテーブル席2卓のありふれた陣容でありまして、先客5名は女性ばかりでした。うち3名は相当に酔っ払っていてしかも助平な婆さまたちでありまして、彼女らに背を接する席に着いたけして若くもないS氏の身体を上気した表情を浮かべて撫でさすすのでありました。それは非常にゾッとさせられますが、女将さんの応接振りや振舞われる肴の安価で美味しいことなどは非常に好感を抱きました。この書きぶりはいかにもエラソーでありますが、つまりはとても良かったわけです。亀有ではちょっといい感じの酒場こそあれ、決定打となるようなここぞという酒場のリストは持ち合わせていなかったので、この先はこちらがその候補となりそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/05/16 08:30:07 AM
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