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テーマ:本のある暮らし(3190)
カテゴリ:本
(あらすじ)「ぼくの記憶は80分しかもたない」 博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた。 記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。やがて私の10歳の息子が加わって、ぎこちない日々は、いつか驚きと歓びに満ちたものに変わっていく――― 数学がとくに好きではない私には、素数を見つけて和めるほどまで、影響は及ぼさなかったけれど、数字というものには魅力をいっぱい感じました。 数に愛着は持てないけれど、なぜ自分が3と7が好きなのか、これを読んで納得(笑)素数だからなんですね。 優しくて切ない、このさりげなさがたまりません。 母子の孤独も、絆の深さも、常にさりげなくて。 博士との出会いが、どれほど親子二人を救ったんだろうと思うと、胸がジーンときます。 単なる出会いじゃなく、奇跡のようなめぐり逢い。 描き方が変えれば、こんなにカラッとした感動では済まなかったでしょう。 内容と文章が相まって、切ない愛おしさに包まれた作品でした。 小川洋子さんや、今読んでいる川上弘美さんもそうですが、言葉の穏やかな感じが大好きです。 静かに真理を語れる。羨ましいことです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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