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2010.10.17
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カテゴリ:韓国映画

 みんな死ぬ。生きていれば、かならず。
世の中便利になっても、自然界の掟には従うしかない。
淡々と、当然のことを捉えた素朴なヒューマン・ドキュメンタリーに、原初の暮らしぶりが、静かに語りかけてくる。

30年も生きた老いぼれ牛に、死期は近づいている。
めっきり頭痛がひどく、野良仕事もままならないお爺さんにも、嫁いで60年間、苦労しっぱなしだったお婆さんにも、はもうすぐそこに迫っている。
そこには、なにも特別なことなどなく、ただただ別れがあるだけ。
 
334944_01_08_02.jpg


文明の利器に頼らないで働いてきたお爺さんにとって、牛は朋輩。
となりの畑は、やれ耕運機だ、田植え機だ、農薬だと、とにかく便利な世の中になっているのに、それらを頑なに拒絶して、むかしのやり方を貫いてきた。
一概にすばらしい―と言えないのは、その手間と苦労が、一手にお婆さんにのしかかっているから。

「わたしほど苦労している者はいないよ。」「なんであんたなんかに嫁いでしまったんだろう・・・。」

どんなに愚痴をこぼしても無反応なじいさんをよそに、腰の曲がったばあさんは、野良仕事を続ける。
代わりの新しい牛がやってきても、老いた朋輩を手放そうとはしない。
死にかけた相棒を最期までこき使うじいさんが、あまりにも頑固だったが、お互い死に近づいた者同士、とことんまで擦り切れて草臥れて生を保っている様子が、胸に堪えた。

334944_01_03_02.jpg


農村部の姿は、韓国も日本も変わらないんだなぁ。
頑固なじいさんも、そのせいで苦労するおばあさんも、ありがちで、変わらない。

なにも大仰なことではなく、この上ないほど素朴に生きる人たちの暮らしを垣間見るとき、文明社会のぬるま湯に浸るわたしたちの上にも、その摂理なるものがたしかに存在していることに気がされて、ハッとしてしまうのかもしれない。


†   †   †



監督・脚本・編集/ イ・チュンニョル

(カラー/78分/OLD PARTNER)






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Last updated  2010.10.19 05:41:24
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Re:【牛の鈴音】 2008年 しぜんの摂理に身をまかせて(10/17)   Je vis さん
死ぬまでに
やりたい事を考えてみても
これといって思いつかないのはどうしてでしょう?
ただ居なくなったら家族は寂しがるだろうなあと思うから
そのために生きてるのかなあ?
って、関係ない話ですけど(^^) (2010.10.19 13:42:39)

Je visさん へ   はる*** さん
家族のためだけに生きているのは、さびしいですよね。
やっぱり自分のためにも生きたいです。

病気などで、現実に死が迫った時
はじめて人は、生きていることがどんなにスバラシイかわかる――と、
余命宣告された女性が、せんじつテレビで話していました。
「死ぬと言われた人にしかわからないです」って。

たとえば、あと半年しか生きれないとしたら、、
やらなければならないこと、やりたいことが、きっと見えてきそうな気がします。 (2010.10.19 22:03:40)


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