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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
タイトルの『コヤニスカッティ』はインディアンの言葉で、「常軌を逸した、混乱した生活。 平衡を失った世界」という意味らしい。 全編台詞なし、音楽のみのドキュメンタリー。カルト映画に分類されるといえ、21世紀を迎 えた現代目線では、驚くようなシーンはほとんどない。それくらい映像の氾濫に慣れっこに なってしまっている私たち。。
カメラは、インディアンの壁画からはじまる。それから、モニュメント・ヴァレーの空撮、ニュ ーヨークの摩天楼、スペースシャトルの打ち上げ、廃墟と化したゴーストタウン・・・・などな ど、たくさんのイメージへ淡々と移りかわっていく。 46億歳の地球が長い年月かけて創造した造形美と、人間が造り出した都会の風景。 摩天楼もテールランプの波も美しいけれど、対照としてふたつが並べば、人間の行いにお のずと嫌悪を感じる、そういう図式だ。 この地球に人類という生物が繁栄して、青い惑星の緑の大地は、予定より早く消滅してし まうことになったのかもしれないなぁーと思ったら、寂しい気がした。 それにしても、映し出されるアメリカの景観が、とても味気なかった。街並みも、風景も、建 物も味わいがない。それは歴史の浅いところに所以しているのだろうか。
『カッティ(もしくはカッツィ)』シリーズは全3作。ほかに『ポワカッティ』『ナコイカッティ』があ るそうだ。『ポワカッティ』は自然を、『ナコイカッティ』はテクノロジーをテーマとしている。 全編とおして流れているフィリップ・グラス氏の音楽は、とても作品にマッチしていていい。 『コヤ~ニスカッティ~』を繰り返すテーマ曲が、脳裏に焼きつく。おなじ調子で『ポワ~カッ ティ~』と、『ナコ~イカッティ~』を予告で聴くと、なんともいえないシュールさが心を擽る のだった。
監督/ ゴッドフリー・レジオ 製作/ ゴッドフリー・レジオ フランシス・コッポラ 音楽/ フィリップ・グラス マイケル・ホーニッグ (カラー/86min) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.06.02 05:40:51
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