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カテゴリ:アメリカ映画
街ゆく人にもらった筆記用具で絵を描いて暮らすジミー・ミリキタニは、カリフォルニア生まれの広島育ち。 18歳でアメリカに帰国するも、第二次大戦がはじまり、若い日々を日系人強制収容所で過ごした。 戦後、長く住み込みで働いていたが、市民権を放棄したため社会保障がなく、いまではニューヨークの路上アーティストとなってストリートで暮らしている。 911のテロをきかけに、監督が保護するかたちではじまったアパートでの共同生活は、ミリキタニ氏の思いがけない人生のドラマを引き出していった。 かつての同僚との再会や、ミリキタニ(三力谷)姓の詩人との接触、80年の数奇な半生を辿る旅。家族や自分やHOMEを取り戻していくまで――。これぞ本物のドキュメンタリー。 かつて画家を志していた孤独な老人が、時代のうねりに飲み込まれていった80年という時の歴史を、いま改めて振り返ると、そこには思いがけないほどのドラマと、ひとりの人間が生きた証のような、深い轍が見えてくる。 憎しみに染まった過去は昇華されて、老アーティストはあたらしい人生を歩みはじめた。 それが、ハッテンドーフ監督の興味からはじまり、審美眼と行動力とをへて、類稀なやさしさによって開かれたことが、なにより素晴らしい。 監督 リンダ・ハッテンドーフ 製作・撮影 リンダ・ハッテンドーフ マサ・ヨシカワ 音楽 ジョエル・グッドマン 出演 ジミー・ツトム・ミリキタニ ジャニス・ミリキタニ ロジャー・シモムラ (カラー/74min) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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この作品、とてもよかったですね。おそらく単なる路上生活芸術家に対する興味から始まったのでしょうけれど、「ミリキタニ」という姓=家族という展開がひらけ、思わず見入っていました。
(*^ー゜)vPEACE!!! (2011.10.23 11:43:33)
荻々亭さんは猫ずきでしたね~
愛嬌ある絵や、監督が飼ってる猫、かわいかったですね。 上映当時見たいと思っていたのに、すっかり存在を忘れていて、先日テレビ欄をチェックしていた際、目に飛び込んできた<ミリキタニ>の文字。 この姓はかなりインパクトありますねー。 しかも想像以上に見ごたえあるドキュメンタリーで、すっかり見入りました。 はじめは本とに、ただなんとなく回したカメラだったのでしょうね。そんなところもナイス。 (2011.10.23 14:06:20) |