無念の監督たち
今年辞めた日本プロ野球の監督はかなり多いのではないか。適任ではないに決まっている巨人の堀内および体調によって自らでやめたオリックスの仰木を除いて、自らで辞めたまたは解任された監督は三人いる。しかも似てる状況にあった。それは、チームのフロントがチームを補強する気がないことだ。 楽天の田尾安志はチームの不振によって解任されたが、近鉄とオリックスよりリストラされた選手を集めて出来上がったチームだから、そのような選手が監督に指示が達成できないのは当然なことだ。しかも一年だけで、監督の腕前を判断することができないはずだ。しかし、楽天のフロントによって解任された。もともと楽天は大金でいい選手を集めることができるが、金を払うべきなところがわからないとも批判された。つまり、補強すべきなところがわからずに、ただ大金で有名な大物選手を集めるのみだということだ。J2へ移籍した三浦知良が神戸に在籍した時この点について楽天のフロントを批判したことがある。従って、田尾は楽天のフロントからの援助がもらえないのにフロントからいい成績を挙げると要求されたので、フロントに対して反発してから解任された可能性があると考えられる。 広島の山本浩二監督とヤクルトの若松勉監督はチームからの応援がもらえないので、いい成績が挙げられない。だが、二人の状況は全く違う。 廣島は川口、北別府、大野という投手三本柱がそれぞれチームから離れてから、投手陣が崩れた状況となった。この十年間、廣島には山内泰幸、長谷川昌幸、沢崎俊和、小林幹英などのいい成績を挙げた投手がいたが、ケガによって引退した投手もいれば、不振となった投手もいる。かなり運が悪いチームなのではないか。だが、この十年間、廣島はFA選手を得たことがないのみならず、ただ自らが育てたFA選手を失うのみだ。このような状況でチームを再建することができるわけがないのではないか。自らで辞めた山本監督より、フロントの責任がさらに大きい。もし、経営する気がなければ、チームを売ったほうがよいのではないか。 ヤクルトの若松監督は日本一の実績を挙げたことがある監督だが、ヤクルトのフロントからの応援ももらえないように見える。しかも川崎憲次郎、高津臣吾などのベテランを失ったのみだ。従って、現在の戦力を果たすしかないが、この数年間ずっとヤクルトをAクラスに入らせた若松はなかなかやるのではないか。だが、古田敦也を残らせるため、ヤクルトの大OBでもあり、日本プロ野球史上終身最高打撃率という素晴らしい成績が残った大打者でもある若松は自らが辞めなくても辞めさせられる状況に入った。よって、自らで辞めたのではないか。 そこで、監督の要求が応じられずに、ただいい成績を求めるだけのチームのフロントは一番悪いのだと言える。そのため、田尾、山本、若松は責任を負うべきなフロントにかわって犠牲者となったのではないか。