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カテゴリ:日本計量新報論説と解説(電子判)
学校は記憶容量とアプリケーションを確認するところ
ぬくもりで人を癒すシンビジュウム(写真は挿絵です) (タイトル) 学校は記憶容量とアプリケーションを確認するところ (本文) 世界の経済は穏やかな均衡を保っており、そよ風が吹く状態だと形容される。貨幣である金の実態に対して米国が過剰に紙幣を印刷・供給し、中国も似たようなことをしているように思われる。日本の場合には縮小する経済規模を押しとどめるために通貨供給量をむやみに増大させている。米、中、日と欧州などの経済の動きが日本の株価市場に反映してバブル期の株価水準に近づいている。株式市場にお金を投じているいる人はみな利益を出しているというのがこの道に通じた人の言葉である。新卒者の雇用は増えている。しかし新卒者は勤めて数年で転職する時代だから間に合わせの不満足な勤務をつづけていることになる。 世の中理屈っぽくなっているなと感じている。東大と京大の卒業者の人気企業をみてなんとなくそれがわかった。2019年春卒業予定の学生を対象にした調査最も人気が高かったのはマッキンゼー・アンド・カンパニー次いでボストン コンサルティング グループ(BCG)。さらにやアクセンチュア、ベイン・アンド・カンパニー、A.T.カーニーなどがつづく。「外資コンサル会社」の人気が圧倒的だ。同様に三菱商事も人気が集まる。商社人気は好調な業績と高いボーナスである。 マーケティングやロジカルシンキング文化で有名なP&Gは、企業方針に「リーダーシップ」「オーナーシップ」「勝利への情熱」を掲げ、若手にも裁量権を持たせて自己成長の機会を与えている。こうした社風も東大・京大生には魅力に映る。日系の大手企業を志望する学生の意識は二極化している。定年まで働くつもりで入社する学生と、2~3年で転職や独立することを前提にしていることだ。そして後者のほうが増えている。「大手企業に入るのは次にステップを踏むためのファーストキャリアとして捉えている。あるいは現時点ではやりたいことが見つかっていないので可能性を最大化するためである。 階段をのぼるにつれて仕事の振り分けが決まり人生の予測がついてしまうというのが日本の学校制度である。その学校制度をどのように理解すればよいか考えた。コンピュータに例えれば記憶容量とソフトウエアとしてのアプリケーションである。この修得の訓練を学校でする。記憶容量が小さいものは聞こえの高い学校に進めない。 理学や工学のアプリケーションが備わっていないものはこの専門分野では働けない。のちに修得するという方法もあるが企業はそれを受け付けない。法律や経済や商業や文芸などの分野のアプリケーションはセールスとか営業とかのアプリケーションとしてとらえられているようだから、超有名校の卒業者以外は営業の下積みから仕事を始める。その後に総合力を発揮して栄進する人は少なくない。 「リーダーシップ」「オーナーシップ」「勝利への情熱」といった聞こえのよい言葉による企業方針があってもこれをまともに実行できる人は少ない。企画と構想の力を持たない、自分の仕事をだとは思っていない、情熱に似たものはあっても形にできない、といった人がほとんどである。衣食住のうちで食べることは健康の基本であるのに、まともに食べることよりも副食物が健康をつくると思わされている日本のへんてこな状態があり、有名食品企業と製薬会社はこの方面に力を注ぎ稼いでいる。その情熱と力を日本の未来をつくる分野に注げないのでは勤めがつまらないし産業と経済の先が危ぶまれる。 (誤字、不適切な表現などについてはご容赦ください) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年03月11日 00時00分42秒
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