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カテゴリ:エッセー
京都大学教授の河合潤氏 和歌山毒カレー事件のことを調べておりました。 被告の家にあった亜ヒ酸と毒カレーの鍋の付近に捨てられていた紙コップに付着の亜ヒ酸が同一起源、つまる工業生産において同一ロッドであったことをもって、犯人であるとされたのです。 同一起源であることを分析的に計測したのが東京理科大学の中井泉教授でした。被告弁護人の依頼を受けて中井泉氏の分析結果のデータの真意を、つまり正確であるか、妥当な手法で分析されたか、などを独自に検証したのが京都大学教授の河合潤氏でした。 河合潤氏は中井泉氏の分析によっては、被告の家にあった亜ヒ酸と毒カレーの鍋の付近に捨てられていた紙コップに付着の亜ヒ酸が同一起源であることを証明できない、という結論に達しました。河合潤氏は大学教授という職務上、自分の業務を論文などの形にして残すことは義務であるということで、論文に仕上げて学会で発表しました。学会では関係する分析化学者・科学者の支持を受けてそれで決着したと考えておりました。 被告が真犯人であると認定する決め手になったとされる中井泉氏の鑑定(分析)は学会では否定されたのですが、中井泉氏は自己の分析の正当性を文章で表明します。学会の有力者たちの支持によって自分の中井泉鑑定の評価が定まったと考えていた河合潤氏は、中井泉氏の反論に対して、対応しなければならなくなり、追加の論文などを発表しました。 さまざまな事情がわかるにつれて中井泉鑑定ほかの亜ヒ酸鑑定によって、紙コップと被告宅に保存されていたとされる亜ヒ酸が同一起源と決めることができないことが明瞭になっております。 ところで和歌山毒カレー事件の被告と弁護人については、通常の憶測を超える複雑な事情があるのです。 みえてきた複雑な事情によって、文章を仕上げることがはばかられます。しばらくは関連の資料を収集して周囲を見回しておこうと考えました。資料はwebサイトに列挙して、 和歌山毒カレー事件を考えるための私のデータベースにしようということです。
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最終更新日
2021年07月13日 00時00分09秒
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