悪韓論
悪韓論(新潮新書)【電子書籍】[ 室谷克実 ] しかしながらこうまでして韓国の悪口を書かなければならないのだろうか。 たしかに本書に書かれていることは,統計のマジックだ。 つまり取りようによっては,ということだ。 だから韓国のマスコミの分析もそれは,それでありだろうし著者の記す正論もそのとおりだ。 でも,600年も前の1 日本には銭湯というものがたくさんあり,人々は清潔だ。 我が国も銭湯を設けるべきだ。2 わが国の市場では,魚も肉も土の上に並べているが,日本には屋根がある商店があり,棚の上に品物を置いている。 わが都の一部にも同じようなものを作るべきだ。3 日本の川には 橋がかかり通行料を取っている。 我が国の川に橋をかけ 通行料を取ることで 貨幣経済を広げるべきだ。などという朴瑞生という人が1429年に日本を見聞して彼の国で報告した内容を取り上げるなんて,それこそ日本人の風上にも置けない,いみじくも本書で著者が,書いている 日本人は決して後ろから刺したりしない。 しかし高麗棒子は違うと述べている。 高麗棒子とは韓国人に対する中国語の蔑称だ。 独断と偏見との批判を浴びるだろうが韓国人にとって重要なのは,どんな汚い手を使おうと勝ち上がることだ。 そして絶対の王者として君臨してしまえば尊敬の対象になり,その下に馳せ参じようとする人々で溢れるのだ。ということをそのままこの著者に投げ返してやりたい。 そもそも悪韓論だから徹底的に韓国の悪口を書いたのだろうが,それにしても悪意に満ち満ちていた。 韓国の出した統計に文句をつけるのなら日本の統計が絶対的に正しいということを論じてからでなければ一方的な悪口にしか過ぎなくなる。 例えば就業率と失業率の数字の出し方とか75歳以上の自殺率とかは,重要な論点なのだからもうすこし丁寧に論じてほしかった。 私は,なにも韓国の肩を持つつもりはない。 ただ根拠のない話をずらずら並べ立てたら結局逆に韓国側から論破されてしまうのではないのか。 私は,悪韓論を書くのであれば徹底して冷静に感情的にならず徹底して論拠を明らかにすべきだと思う。 そうでないとすぐに彼の国から足元を掬われる。 そういうこっちゃ。 嫌韓の人々には,快哉だろうがこれは却って彼の国を利するような本になると警告したい。 本当に今まで我が国は彼の国から何度痛い目に遭ってきたというのか…。