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職の精神史

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2008.05.05
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カテゴリ:思ふこと/旅日記


ふもとの近くに差し掛かると、花々が迎えてくれた。

白いつつじ

緑に囲まれているのも落ち着く。

普段は「緑」としか呼んでいない色に、実は様々な緑色があることが分かる。


そんな中に、白や桃色や赤の花があると、なんと美しく、目立つことだろうか。

「根を張る」もそうだが、「紅一点」という言葉も植物から生まれた言い回しだ。

「白一点」という言い方はないが、緑の中に際立つ白もきれいだった。


新枝

今回の登山で一番印象深かった写真は、この「幹から生まれた新しい枝」だ。

幅20センチくらいの太い幹から、幅2~3ミリの枝が生まれ、伸びているのである。


私はこの姿に、仕事や事業、歴史、教育など、実に様々なことの本質を感じさせられた。

この時、東京のリース会社に就職した西南出身のTさんからメールが届いたこともあって、この新しい枝は「新入社員」のようにも見えた。


幹から栄養をもらい、幹が伸びる方とは違った方向に伸び伸びと進む。


それが間違うこともあるだろうし、新しい光のありかを発見して、巨大な枝となり、幹を支える主要な枝の一本となることもあるだろう。


だが、この枝はいかに「個性」、「自由」を口にしても、幹から発しているのは疑えない。


我々現代人もそうである。

我々はこの新しい枝のようなか細い存在に過ぎない。それを「独力で」、「自分で」などと言うのは傲慢以外の何物でもない。我々は歴史という幹、根を抜きにしては生きられない。

だが、それを、「過去は悪かった」、「過去は関係ない」などと言おうとしているのが、戦後の歴史ではないだろうか。


今度天拝山に来た時は、この枝はもうどこにあったか気づかないほど、立派に成長しているのだろう。新入社員が数年で立派な社会人に育つように。

だが、我々日本人は、数年も立てば、幹や根の恩恵を知って、「戦後、自分を見失ったこともあったけど、今ではその痕跡がどこにあるかも分からないほど、立派に復活したね」と言われるようになるのだろうか。


もみじ1


この木も印象深かった。

枝の先に生まれているのは、赤ちゃんの手ほどの小さな小さな紅葉の葉っぱである。

なぜ印象深かったかというと、他の木は枝葉が上下に混在しているが、この木はすべての葉が等しく日光を受け、一部の葉が他の葉の下に沈んでいるということがなかったからだ。

全ての新しい葉が、他の木によって影になっている部分を避けて、日光を求めようと力強く伸びているのだ。


下から風で吹き上げられているわけでもないのに、すごい生命力だと思った。


葉は日光を求める、光合成を行なう、葉緑素がある…。

そういう、植物を構成する要素や営みに名前をつけて、唯物的に把握し、理論的に仕組みを把握するのもよいだろう。

だが、一本の木を目前にして、その営みの迫力に触れることに比べれば、知的営為で得られる感動は大したことではない。


もみじ2


これは、その木をやや遠くから撮り直した写真だ。

この枝がどれだけ「異様な形」で伸びているか、よく分かるだろう。

この枝は幹より長い。ほぼ真横に伸びている。ここはふもと付近で、もう風は無かった。登山道の真ん中あたりまで枝が伸びて、日光を独占しては、幹に栄養を送っていた。

経済に喩えれば、世界経済の脇役になりつつある日本経済に新たな息を吹き込むベンチャー企業だろうか。

会社に喩えれば、残業や先取りで新事業を開発し、本社や会社に収益を送り込む新プロジェクトだろうか。

だが、この先も日光を浴び過ぎると、この枝は張力を失うか、他の木々の領域に入り込むことになる。

私がいつも、会計や営業ばかり考えているせいで、何を見てもすぐに経済や会計になぞらえてしまうのは習性だが、経済も産業も、会社も仕事も、自然の営みをそっくり真似ているのだと感じた光景だった。


つつじ2


つつじ園


天拝山は、久留米には及ばないが、つつじの名所でもある。

ふもとには「つつじ園」があり、花が好きなKさんが写真を撮っていた。

小林秀雄の名作『美を求める心』でも回想していたのだろうか。

つつじの花がこんなにきれいと思ったのは生まれて初めてだ。

私は本当に、仕事やサークル活動ばかりで、全く休んでいなかったのだろう。


~4へ~







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Last updated  2008.05.06 04:49:32
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