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職の精神史

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2008.05.08
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※この文章は、2003~2006年に大学生・若手社会人向けに配信されたメルマガ『内定への一言』のバックナンバーです。


67.「苦しい時の楽こそ本当の楽である、と観念し、以来私は、これを求め続けることを心に誓った」(斉藤英四郎・新日鉄社長)



何事も相反する要素があってこそ性質が分かるものですが、「苦楽」もその一つではないでしょうか。


きついことが何もなく、夢に向かう逆境もなく、ただ単に楽であるとか楽しいとか言っていたら、それは正しくは「堕落」か「退廃」と置き換えてよいでしょう。国語たる日本語は、自分の状況に即して正しく使うべきです。


今日の一言は、一九七四年のオイルショックで一転、倒産の危機に瀕した新日鉄を率いた社長の決意の一言(「ひとことの輝き」日本経済新聞社 所収)です。


戦後、日本の産業もたくさんの分野で「世界一」あるいは「世界クラス」を実現していきました。(ちなみに日本初の「世界一企業」は、トヨタではなくキャノンです)。中でも、鉄鋼と造船の世界制覇は、戦前が資源不足で悩まされただけに、隔世の感をもたらす出来事ではなかったでしょうか。


石油ショックの衝撃は、僕はその翌年に生まれたので経験はありませんが、聞く限りでは大変なパニックだったようです。これは最近、原油価格が1割程度上がったことで運送、運輸、製造業各社が「社運を賭けた努力が必要だ」と言っていることからも想像できます。


石油ショックは、その何倍もの値上げを一挙に、かつ一方的に通告されたわけですから、産業界への影響はどれほど大きかったでしょうか。平素、楽をしていた企業は、当然倒産しました。


しかし、逆に経営体質を強化して生き残った企業もあります。石油が成否を分ける巨大産業・製鉄業も、血の滲むような努力の末、合理化を果たし、生き残りました。この時期に強烈なリーダーシップを発揮した永野重雄さんや桜田武さんが、そろって経済界をリードしたことを思うと、人間的にもしっかりとした価値観をお持ちだったんだろうと思います。


「きつい時、苦しい中でこそ、初めて楽は楽となる」という、一見シンプルながらも、いざ自分の身に起こると遠ざけ、目をそらすような事実を、真正面から受け入れた言葉だけに、重い響きを持っていますね。


さて、僕は毎週平均十冊のペースで本を買い、読んでいますが、昨日もまた、日本マクドナルド創業者・藤田田さんの絶版をなんと、初版で見つけて購入しました。


「金持ちラッパの吹き方~なぜ俺だけが儲かるのか~」(KKベストセラーズ)という、相変わらず挑発的なタイトルの本で、実は二冊持っていますが、その中にさらに挑発的な一節があります。


「不景気の中で儲けるのがプロの経営者だ。景気がいい時はバカでも儲かる」


就職に置き換えてもピッタリ当てはまりますね。


企業をリードし、中核事業を支えているのは、不況期に入社した人材です。バブルや好景気の時に入社した人は、入社できたこと自体を自分の実力と勘違いするため、必要な努力すら行わず、入った時点でヒイヒイ言っています。


だいたい、内定をもらった後を見れば、人材の本質は分かります。コロッと態度を変え、「さぁ、あとは遊ばないと」と怠ける人間が、そういう輩です。男は「窓際族」、女はホステスか何かになるそうです。内定ごときを目標にして、会社と自分の夢を裏切った罰としては、まぁ適切なものでしょう。


最後に一つ確認しておきたいことは、不況や試練、苦労といったものは、環境や状況に与えられたものだけではない、ということです。


自分で受け入れ、認め、設定する時、初めて価値ある「苦」になり、同時に「楽」も生まれる、ということですね。あなたの大学生活には、自分から進んで設定し、誰から認められなくても褒められなくても、コツコツと向き合って克服している「苦」はあるでしょうか?


そういう状況の中の「楽」があるでしょうか?ないなら、入社時から毎日が「恐怖の試練の連続」といってよいでしょう。入社前から、すでに使い物にならない社員です。あるなら、安心して苦楽のレベルをともに高めていけばよいでしょう。







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Last updated  2008.05.08 02:40:52
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