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カテゴリ:在宅医療や緩和ケアをテーマにした本
当直に行った病院の医局で、痛みに関する構造構成主義の本(「「ナニコレ?痛み×構造構成主義」)を読んでいたら、たまたま緩和ケアをよく勉強している外科医A先生に見つけられて、良かったらこれも読んだらと頂いた本のうちの1冊。そのあとすぐにA先生自身ががんで他界してしまったので、この本は誰にも知られてない遺品というか形見分けみたいな存在になってしまっている。いずれ、何度か読み返したい。 ●少年院法務官の経験を経て医師になった緩和ケア医岡本先生がスピリチュアルケアではなくて哲学の本? 〇緩和ケアは「辛さ」=患者の主観を対象にするもの〇全人的医療として「意味」「価値」を対象にするもの 〇多職種協働、「モノの見方の違い」は両刃の刃、相乗効果が期待される反面、信念対立の温床 構造構成理論とは 〇もともとは信念対立を解消するために生まれた学である。(著者がこの本を書いた同機は主にここにあったらしい) 〇「道具(ツール」)集=「原理集」である ●まず「自然的態度」に気づく→「判断中止」する→なぜそう考えたのか問い直して「還元」する・・・・これが方法論 ●同じ緩和ケア医だけど「「ナニコレ?痛み×構造構成主義」の阿部先生とはまた違った切り口から構造構成理論を説くので理解が深まるし、いってることはとてもよくわかって共感できるし勉強にはなるけど、 正直なところ「目の前にある本やリンゴが本当に存在するかどうかはわからない」というところまで原点にさかのぼる必要があるの? とも思う。 名言集 〇純粋な観察者はありえない〇医療者は、医療者自身の存在そのものが、患者や家族に影響を与えざるを得ない存在であることを認めなければならない。・・・医療者自身が無視することのできないほどに強力な作用・副作用を持つ「薬剤」なのである(マイケル・バリント) 〇「人は死ぬ直前まで変化し、成長しうる」〇スピリチュアルペインを「診断・治療モデル」ではなく「成長モデル」という構造で考える・・・ 治療すべきマイナスの状態ととして受け取るのでなく、「そこから新しいよきものが生み出されようとしているプラスの状態」として・・・ 〇スピリチュアルペイントは、その人が置かれている状況に関連して患者自身が構成した意味や価値の一形態であり、それは絶えず変化し続けるもの、変化しうるもの」 ●考え方はわかったけど、あとは経験に基づいた具体的で実践的なことになるわけだけど、考え方と実践のギャップが大きいと感じてしまうのも事実。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.03.15 18:04:40
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