あなたには夢中で読んでいた本がありますか?
トップをルドンの画集に変えて思い出したのが、
エドガー・アラン・ポーの「黒猫」。
5作品ほど収められた「幻想怪談集」の中のお話。
「ポー名作集」
エポックメイキングな歳というのは幾度かあるもので、
私の場合、9歳の頃もそうだったよう。
先日お伝えしたフランス革命ものを読む一方、
教室には小さな本棚があり、図書館の本とは別に、
給食を早めに終えて読むのを楽しみにしていました。
二匹の黒猫をめぐる妻を葬った刑執行を待つ男の独白。
漆黒の猫、二匹目の黒猫の胸元に浮かび上がる白い模様、
妻ごとその猫を塗りこめてしまった壁から響き渡る鳴き声。
エドガー・アラン・ポーと何度もつぶやいて、江戸川乱歩さんたらまあ、
と気づいたのは、パノラマ島奇談、明智小五郎シリーズの怪人二十面相や
黒蜥蜴などを読んだ小4の頃。
始めは高階良子さんの漫画から入り、徐々に少年少女ものの小説を読んでいきました。
「屋根裏の散歩者 人間椅子 パノラマ島奇談」
人間椅子の趣向は、劇場版・黒蜥蜴にも出てまいります。
学生になり、あまり深く考えないままにアメリカ文学を専攻しましたが、
あるゼミで再びポーに逢え、とても感慨深かったのを思い出します。
もうひとつ記憶にあるのが「牡丹灯篭」。
これもまた幻想的な物語。
ゆらゆらと灯篭に照らされる美女の影と足摺のおと。
夢講座「牡丹灯篭-御札はがし」
もう一冊、読んでいたのが「四谷怪談」。
赤穂浪士とのからみもあってなかなか興味深い内容。
ラストは、伊右衛門を倒したお岩さま(絶世の美女だったそう。
子孫に当たられる女性は東京百美人に入ったとか)の妹・お袖の婚約者が、
そのまま吉良邸への討ち入りに向かうという内容。
歌舞伎からの書き起しだったと思われます。
藤原竜也主演 「大正四谷怪談」
給食を食べたあと、こんな本のページを繰っていた9歳の女の子。
こんなところにも、今のルーツはあるのだなと。
みなさまはこのころ、どんな本を読んでいらっしゃったでしょうか?
夢二の「黒猫」
☆☆この日記は夜中に書いたのですが、お昼になって母校から
「エドガー・アラン・ポー」基調講演の案内が郵送で届きました。
その題「E.A.ポーのゴシック―地下から音がきこえる法則」
黒猫が黒猫を呼んだようです。☆☆
魔女の友