黄色いお部屋は、以前は近代とフォーヴィズムの作品が展示されていたように
記憶しているのですけれど、いまにも踊りだしそうなロココの装束に彩られて、
また佳き趣きに。
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(マリー・アントワネットの時代、ロココ絵画を堪能できる
ヤマザキ・マザック美術館が当地にオープンしたのは昨年。
絵画のみならず、ガレなどガラスや家具のコレクションも充実、
美しい館内で満たされたときを過ごせるのを愉しみに、今年の企画展・
「ロココの雅」について調べようと公式HPを訪問したところ、
ちょうどその日にアップされた新着情報に「ブロガー募集」の文字を発見。
「コンスタントにブログを更新している、美術館で開催されるブロガーデーに参加後、
一週間以内に展覧会の紹介をするブログをアップできる」などの応募用件のもと、
幸運にも、閉館後の静かな美術館でスタッフの方のお話を聞きながら鑑賞、
一定の条件を守りつつ、館内の撮影をさせていただくことができました。
いつものようにモバイルの画像、メモ書きと記憶に頼った拙文ではございますけれども、
麗しい美術館の魅力を少しでもお伝えできれば幸甚に存じます。)
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よくよく見れば、淡い地色と花の上に、本物と見紛う褐色の御器齧り☆
ガレなどにも蝉や蟷螂や蜻蛉などを配した作品があって、
小花をたくさん散らしたドレスのデザイン同様、後年になっても
斬新なスタイルとして自然の風物を捉える源流のひとつのように思えるのですけれども、
それにしても、花に添えるモチーフとしては、このかたちはあまりにリアル。
ウードリー作の「果物と野菜の静物」、何が描かれているかを眺めつつ、
4階にあるガレの素晴らしいコレクションについて学芸員の方にお尋ねしてみると、
砂漠の地下倉庫に集められていたガレ後期の作品で、所有者が亡くなったことにより、
まとめてこちらへ所蔵されるようになったそう。
ある意思をもって集まった作品群が、コレクターなき後は散逸することも多いなか、
内包する霊感に相応しい美の殿堂に迎えられたことは、まことに幸運なこと。
ポンパドゥール夫人の所蔵だった大作をはじめ、作品ひとつひとつが
晴れて衆目を集めるに至るまでの経緯は、ドラマティックな物語を秘めているようです。
確か以前は、紅い大広間にあったように記憶しているロココの三点。
左より、グルーズ作「少女の頭部像」、同じく「犬と遊ぶ子供」、そして
その作品がミュージカルの題材にもなったことのあるフラゴナールの
「キューピットのささやき 」。
紅い大広間と、青い部屋をつなぐ黄の回廊、黄金のような輝きのために、
さらに朧に撮れてしまっているのが残念ですけれども、
是非、本物を観ていただきたいなと思います。
次は常設の青い部屋を拝見します。
「ヤマザキ マザック美術館 ロココの雅 公式HP」
☆ 名古屋駅から地下鉄で7分、新栄駅の直通エスカレーターで美術館内に入れます。
「アントワネットの文机の日記」