第三幕 第二場
(宇治の院。
僧都と二人の僧が読経するなか、浮舟登場。
一人の僧が進み出て、浮舟の髪に鋏を入れる。舞台暗くなる。
やがて舞台中央に髪を下ろした浮舟。
浮舟、手を合わせてまだ覚束ない読経を始めると、妖火(実は光源氏)とわかる影が浮かぶ。
「春の夜の 夢の浮橋 とだえして 嶺にわかるる よこ雲の空」
読経に和歌が重なり、幕
紫式部が描く物語の最終段階、宇治を舞台にした浮舟の悲劇は何故起こったのか。
原作で「清げな男」とのみ言い表されている、浮舟を宇治川に導いた謎の人物の存在が
ずっと気にかかっていましたので、わたしが観たい物語として書き起こしてみました。
拙文、ご覧いただきありがとうございました。
「源氏物語の日記」