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今が生死

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2010.09.30
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カテゴリ:読書

水木しげるさんは絵を描くことが好きで、好きなことに一心不乱に打ち込んで、まんが家として仕事していたが、最初は書く漫画が売れなくて、貧乏の極みを味わっていた。

その後少年マガジンに漫画を描くようになって、少し生活が楽になり、漫画賞をとってからは注文が殺到し、アシスタントを7人雇い、朝昼夜の3交代制で仕事をした。その頃は奥さんともまともに話もしないし、仕事のことで何か言えば「仕事のことに口出すな」と怒鳴られてしまうし、仕事、仕事で奥さんの目をみて話をしてくれたこともなく、生活は苦しかったが貧乏していた時の方が優しさもあり、ずっと楽しかったと奥さんが述懐している。

水木さんは少し休もうか、注文を断ろうかと思ったこともあったが、又昔のような貧乏になるのを怖くて夢中で仕事をしていたとのことである。後年かなりお歳をとられてからは仕事も減らして家族で外国旅行もするようになり、平和な家庭を取り戻しているが、その途中での働き中毒は尋常ではなかった。

編集者にいつも追いかけられていた面もあるが、自身も貧乏が怖くて、家族や自分の健康や幸せをないがしろにして夢中で仕事していたのだと思う。

人の幸せってなんだろうか?貧乏にならないことだろうか?自分の好きなことをしてそれが世間で認められて多くの人が読んでくれる。これも一つの幸せであろう。忙しい生活をしていてもそのことで喜びを味わっていたかもしれないが、家族は惨めであった。また自分の本心も幸せではなかったと思う。

この本の副題が「終わりよければ全てよし」なので、最後が幸せなのでこれでよかったのかも知れないが、貧乏時代については痛く同情するも、人気作家となりお金も、仕事もどんどんくるようになった時の氏の傲慢な態度(本人はそう思っていなかったとは思うが)には同情できない。

仕事に追いまくられて身動きが取れない状態だったとは思うが、もう少し冷静に自分を見つめ、仕事のこと、周りのこと、家族のこと、自分の健康のことを考えてもらえなかっただろうかと思った。






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Last updated  2010.10.01 07:37:34
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