今が生死

今夜姉の通夜で、姉が勤めていた会社の社長さんから話を聞いた。自動車整備工場に３０年近く務めたが経理、整備（女性整備士は山梨県第一号）、渉外全てに完璧な仕事をしてくれて、得意先の会社でコンピューターとあだ名されていたくらい頭がよくて処理能力が高かったとのことである。確かに入院していた最近でも人の名前や出来事なども事こまかに覚えており、頭がよかったのは本当だったかもしれない。その頭のよかった人がパーキンソン病に罹り、腰が曲がって、動作が緩慢になったりして無念だったと思う。

弟の私は姉とは反対に記憶力がすこぶる悪い。計算もすごく鈍い。ゴルフのスコアの合計を出すのが一番遅い。下手で足す数が大きくなるから遅くなる面もあるが、他の人が私の大きな数字の合計を私よりずっと早く出すことをみれば、足す数が大きいから遅いのではないことが分かる。それほど頭は悪いのだが努力家である。その努力根性はすさまじく、今でもあれこれ努力している。しかしモトの頭が悪いのでその努力は殆ど無駄になり何の進歩もない。

私は健康には恵まれたが頭が悪い。姉は頭はよかったが病気になってしまった。もし私に姉のような頭の良さが授かっていたならば持って生まれた努力根性でかなり大きな成果が上げられたのではないかと思う。

でも天は二物を与えてくれなかった。頭の良い姉には健康がなかった。努力するのが好きな私には頭の良さや運動神経が全く備わっていなかった。本当に天は二物を与えてくれないと思う。