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テーマ:読書(8205)
カテゴリ:感動したこと
本日午後の武田通りの桜
今朝の新聞のフロントランナーは大阪の小さな本屋隆祥館の店主二村知子さん(61歳)だった。 今や読書する人が減っている上にアマゾンや楽天で簡単に本が買える時代になり町から次々に本屋がなくなりこの20年間で半分になってしまった。そのような状況の中で隆祥館書店は売り場面積13坪の小さな書店なのにアマゾンや売り場面積1000坪以上の大型書店の向こうを張って日本でトップクラスの販売数を記録する本が何冊もある書店なのだ。 それは何故か?本屋に来たお客さんに邪魔にならないように話しかけて本の良さを伝えて、よいと思った本を積極的に勧めてきたからである。 二村さんは結婚して子供も生まれたが夫婦生活がうまく行かなくて30歳半ばで離婚して娘さんを連れて実家の本屋に帰ってきたが毎日死ぬことを考えていた。そんな時、星野富弘さんの「愛、深き淵より」を読み、事故で手足の自由が利かない星野さんが真摯に生と向き合っている姿に涙が止まらなくなり痛切に「生きなあかん」と思った。本に命を救われたのである。本やお客さんが少しずつ生きる自信を与えてくれて今があると述べている。お客さんから「お薦めの本は?」ときかれればお客さんの時間が許す限りお話して一冊でも多くいい本と出合って欲しいという気持ちでお薦めしているとのことだった。評判が評判を呼びいい本を推薦してもらいたいお客さんだけでなく、出版社やメディア関係者、作家の人達も訪ねて来てくれるようになったのである。2011年からは作家を招いて読者と語りあう会を始めてもう少しでその会は300回になるという。 この小さな町の本屋が生き残り、繁盛しているのはただ本を飾っておくだけでなくお客さんの趣味や好みを聴いてお客さんの求める本を探してお勧めしているからである。斜陽の本屋業界の中でお客さんに喜んでもらいながら自らも繫栄している本屋さんがあることは他業界にも参考になるのではないかと思った。二村さんの原点は離婚して死のうかと思っていた時一冊の本と出会い命を救われたことだが、以来一人でも多くの人に良い本を薦めて幸せになって貰いたいと願い、お客さんと心からの会話を続けてきたことが成功に結び付いたのだと思う。今後も大いに語り合って繁栄してもらいたいと願う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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