40代男性、右上6、インレー脱離
お正月にお餅を食べたらインレーが外れてしまった。結構気持ち悪いものだ。
世の歯科医師諸君はインレーに対する認識を誤って解釈しているようだ。少なくとも虫歯の電気化学説が理解出来ないと無理だろうということはわかる。
インレーが最初に考案された150年前、アメリカの歯科医師G.B.ブラックのインレー形成法が発表された当時、インレーの素材はType3、Type4とよばれる金合金で、セメントは必要のないものだった。
当時はアマルガム充填や金箔充填が主流だったが、もちろんセメントは不要だ。
なぜセメントが不要なのか理由は解っていない。少なくとも歯学部で納得のいく説明を聞いたことはない。
解っていないことを延々やっているのが歯科業界と言ったら言い過ぎだろうか?
多分、アマルガムや金箔充填では問題にならなかった2次カリエスがインレーでは非常に問題となった。それがセメントが必要になった最初の理由だろう。
なぜそうなのか、世界中の歯科医師は誰も説明できないのだが、僕には明確にわかる。それは次回にでも。
では時系列でどうぞ
この症例はインレー内部の象牙質は軟化象牙質という程ではなくとも、かなり柔らかくなっていた。特に遠心のクラックの下の隣接面カリエスの進行が結構進んでいたのと関係があるのかもしれない。どこまでが新鮮象牙質なのか少し迷った。とりあえず、スプーンエキスカで削れない範囲ということにしたが。
この方、普通は型取りして次回作ったものをセットするのに、なんで1回で終われるのか不思議がっていた。1回で終われるのに、なぜみんなやらないのか?