70代男性、左下6、舌側歯根面カリエス
個人差が大きいのだが、高齢になると気力体力も衰え、喋るのも億劫になる。
喋らなくなると虫歯になりやすい。
虫歯の成因には大きく2つあって、
1、水素イオン:H+:プロトンの存在(酸性であること)
2、その水素イオンを歯の内外に伝導させるなんらかの起電力
この2つが同時にあれば、虫歯が起こる。必ずしも酸産生菌(虫歯菌)の存在は必要ではない。
詳しくは
フリーページをご覧ください。
逆に、この2つのどちらか一方がなければ虫歯にはならない。虫歯の予防法も必然的に分かると思う。
現実的には2、を無くすことは難しいが、1、を取り除くことは容易にできる。
それが「重曹うがい」であり「重曹歯磨き」だ。
・・この方の場合は舌の圧力がほっぺの圧力より大きいため、舌の歯面への密着度が高い。
それによりほっぺ側より舌側の方が酸素濃度が低く、舌側がーにほっぺ側が+になるような起電力が発生する。
歯を伝導する水素イオンはほっぺ側から舌側に通り抜け、歯の結晶成分のカルシウムから電子を奪い歯を破壊する。
この現象は一般には金属の「
酸素濃度差腐食」と呼ばれ広く知られている。歯の基本成分であるハイドロキシアパタイトは伝導する物質が電子ではなく水素イオンではあるが、金属と同様の考え方ができる。
このサイトではこのことを「
虫歯の電気化学説」として提唱している。
どうしてこのことを言い出す歯科医師が僕だけなのかが不思議だ。
この方は3ヶ月ごとのPMTCを受けているのだが、歯科衛生士:DHが気が付いた時には歯根の象牙質は広範囲な軟化象牙質(カルシウムが抜けた状態:虫歯)になっていた。僕は虫歯の治療をしてくださいとDHに依頼される立場にあるのだが、絶望的な戦いを強いられる。患者にはこれで最後の治療になりますと言い添えることを忘れるわけにはいかない。
では時系列でどうぞ