カテゴリ:ドクターのつれづれ。
人気の記事なので再掲ですw ・・・ 歯科医療の歴史を遡ると、 日本では「歯抜き師」と「入れ歯師」に分かれる。 江戸時代から明治時代頃まではそうだったと思われる。 元々抜いて入れ歯を作るという業務は別々のものだったのだが、 明治になって西洋の歯科医療技術が導入され、 歯科医学専門学校という歯科専門医の養成がなされるようになって、 見かけは統一されはしましたが、 削って、抜いて、義歯を入れる。 やっていることは基本的には同じです。 いきなり抜いて入れ歯の前に、削って充填したり、神経を取って金属冠を被せたりという治療法が入って、 多少は歯の延命w(?)が図られるようにはなりましたが、 やはり、なんらかの義歯を作ってそれを販売(?)するというビジネスモデルに変化はない。 現在も同じで、削ってセラミックスとか、抜いてインプラントなどの選択肢が増えただけの話しだ。 近年になって歯周病の治療や歯科矯正の専門医も増えてはきたが、 これだけではなかなか食べてはいけない。 ましてや予防専門だけで食べていくことは不可能な話しだ。 僕が歯学部にいた頃は予防歯科はミュータンス菌の培養やらワクチンの研究やら、 精々歯磨き方法の研究をするくらいだった。 今でも基本的には同じだろう。 未だに虫歯の真の原因さえ研究されることはなく、 虫歯とは「歯」があって「虫歯菌」がいて「甘いものを食べる」とできるのだ、 と、なんともマヌケな話を延々と100年以上にも渡ってしているのだ。 そんなこと、小学生でも考えつくだろう、と思うのだが、 悲しいかな、それが業界の現状だ。 虫歯を見たらなにも考えること無く、 削って充填する、被せる、それもできなければ、抜いてブリッジだ、入れ歯だ、インプラントだ、、 とお金の計算ばかりしている。 予防なんか普及されたら困るんですよ。 本音は。 僕はこの業界に入ったのは歯科技工士といって歯を作り続ける職人が最初で、 今日中に帰れたらいいな、、といった感じの長時間労働で、 辛い仕事の割には金銭的にも恵まれないだけではなく、 業界内での地位も低いのです。 そんなことは業界に身を置いてみないと判らないのだが、 後の祭りでした。 歯科技工士になって多少は歯科業界の実状が見えるようになると、 えっ、、と驚くことがたくさんあるのです。 まず、上手な(器用な)歯科医師が希(マレ)であること。 まあ、それは当然なことで、適正で歯医者になっているわけではなくて、 親が歯医者だから家業を継がねば、とか、 医学部は偏差値的に無理なのでワンランク落としたとか、 その程度の理由で歯医者になっているのがほとんどだからです。 削って、抜いてお高い義歯を患者に勧めることが当たり前で、 正しいと思い込んでいる歯科医師。 思っていなくても、患者の歯を安易に削ったり抜いたりすることに何の心の痛みを感じない歯科医師。 削り回したあげく、患者の歯が無くなっても、そんなことは今すぐっていうわけではないし、 知ったことではない。 みんな商売第一で患者の歯をクイモノにしているのですが、 それに気が付いても、それしかできないから仕方なくやっている。 それはマシな歯医者。 患者の歯を削らない、抜かない方法を考案しようと思う歯医者は希(マレ)。 そもそも、そんなことはすぐに諦めて抜歯した方が面倒がない、 しかも儲かるとしたら? そんな奇特な歯医者はいないのが当たり前ですよね? また歯を自分で作っていて、長期的に観察していて気が付くのは、 コストや時間をかけても、2次カリエスとかになってだめになるときはだめになる。 なんだかね。。。 精度とか関係ないんですよ。 テキトーでも何十年ももつこともあるんです。 技工で苦労しても、そんなんでは、モチベーションが下がりますよね? 最初からなにもしないのが一番いい! 一般の人も、 歯医者はいいよね、儲かって、 セラミックの歯を1本入れたら、10万円取られたよ。 インプラントは40万円ですって? ・・とか、僕に言う。 歯医者の妻になった元ツレアイの友達が、うちのだんな、今日はセラミックの歯を3本入れたから20万円儲かった。 とか、平気で言う。 それって、患者は歯を遠慮会釈無く削られたってこと、解っていないだろうって思うわけです。 僕も歯医者になって他人の歯を遠慮会釈無く、(そうするしかなくて、)削ってみて初めて解ったのですから。 あ〜、、いやだいやだ、、 こっちはどうやったら、そんな現状を回避するかだけを考えているのに、 ツレアイでさえ、そうではない。 他人の歯を削ることなんかに痛痒を一切感じない。 お金お金、、 歯医者は削って抜かないとお金は稼げない、 その場限りのウソでもなんでも言って、 患者に削ったり抜いたりすることを納得させるのが歯医者の仕事。 あ〜、、いやだいやだ、、 以上が、僕がお金とかマネーとか聞くだけでむかつく理由です。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ドクターのつれづれ。] カテゴリの最新記事
あ~、エンジニアも一緒。対症療法じゃなくて根本解決すりゃいいのに、それをやると自己否定になるから頑なにやらない。やらない理由を探す。金型変更に数十万掛ったって後のトラブルを考えたら全然安いのにね。壊れない設計が良い設計なのに、トラブって解決した方が評価が高い仕組みがおかしいんです。
(2023/12/26 09:31:47 PM)
お久しぶりです。
過日(だいぶ昔)、治療していただいた兵庫県のEです。 コメントは残していませんでしたが、ブログ、拝見していますよ~。 先生のブログ、本当にそう思います。 私も、歯科医に食い物にされた一人です。 知識を身に着けて自分の身を守らないと食い物にされることを痛感し、自分なりに調べてこのブログにたどり着き、おかげで先生とお知り合いになれました。 「保険治療」という限界のある中、先生の治療、お考え、存在は本当に尊いと思います。 先生の治療、考えが広がり、後継者が一人でも近所に育ってくれたら、すぐにでも通院するのに・・・と思うのですが、なかなか難しいようですね。 (もしこのブログを見ていて、先生のような治療できる近畿圏の歯医者さんがいらっしゃったら、連絡ください(笑)) また、先生にお会いできるといいな、と思っています。 年末年始は暖かいようですね。よいお年をお迎えください。 (2023/12/27 12:51:34 PM)
ところで、「歯生え薬」の臨床試験が来年夏から始まるようですね。
先天性無歯症の方のみ対象なので、限られた人だけになりますが、この薬が今後実用化され、もし虫歯や歯周病で歯を失った人対象の薬の開発にまで広がれば、歯科治療が根底から変わると思うのですが、先生はどう思われますか? 開発は可能でも、歯科医師会が阻止しますかね?実用化されて、ある程度の価格に落ち着くまで時間がかかると思いますし、何らかのデメリット(ガン化等)が発生するかもしれませんが、それらをクリア出来れば危険なインプラント治療などは、基本不要になっていくのでは?特に富裕層はある程度歯にお金を出せますし。 (2023/12/27 12:57:06 PM)
なおさんさんへ
実はですね。長年歯医者をやっていますが、純粋に歯周病で歯を失う症例を見たことがないのです。 神経があれば持ち堪えますが、神経を取った歯はだめ。 業界の不都合な真実です。 (2023/12/28 11:15:15 PM) |
|